
本関係船舶の安全確保に向けた中東シーレーン(海上交通路)の情報収集活動に当たっていた海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」が30日午前、海自横須賀基地(神奈川県横須賀市)に帰港した。昨年末の閣議決定を受けて派遣された1次部隊で、現在は2次部隊の護衛艦「きりさめ」が任務を引き継いでいる。
たかなみは、防衛省設置法の「調査・研究」に基づき、2月26日からアラビア海北部の公海などで任務を開始した。6月9日までの期間中に延べ約8000隻の船舶の針路などを確認。自衛隊法が定める「海上警備行動」が発令されるような不測の事態は発生しなかった。
新型コロナウイルスをめぐっては、補給時に乗組員を上陸させないなど感染防止策を講じた。
横須賀基地で帰港後に行われた帰国行事では、河野太郎防衛相が新型コロナの影響を踏まえ、「寄港地における上陸が大幅に制限され、フラストレーションがたまることがあったかと思う」と指摘。「厳しい状況下でも高い士気と規律を維持し、立派に任務を完遂した諸君を大変誇りに思う」とねぎらった。感染拡大防止のため、乗組員約200人の家族らによる出迎えは見送られた。
部隊指揮官の稲葉洋介第6護衛隊司令(48)=1等海佐=は終了後、記者団に、「無事に任務を完遂できて安堵(あんど)しているのが実感だ」と述べた。
情報収集活動は護衛艦のほか、ソマリア沖アデン湾で海賊対処活動に従事する海自のP3C哨戒機部隊が兼務している。
JIJI Press