
国民民主党は11日、立憲民主党との新党結成による合流をめぐり、臨時執行役員会で対応を協議した。玉木雄一郎代表は終了後の記者会見で、国民を解党した上で、立憲への合流組と残留組に分党すると表明。自身は合流に参加しない意向を示した。
玉木氏は残留組とともに、国民の地方組織などを継承する新党を設立する方針。今後、立憲を中心とする合流新党がどの程度の規模になるかが焦点だ。
会見で玉木氏は、立憲の枝野幸男代表との党首会談が実現せず、「基本政策について一致が得られなかった」と指摘。旧民主党政権を念頭に「理念や政策が異なる人が集い、無理やり党をつくっても、過去の反省を生かせない」と不参加の理由を説明した。
自身の新党結成に関しては、「政策提案型の改革中道政党は不可欠だ。自由闊達(かったつ)に議論してこそ新しい答えが導き出せる」と強調した。
玉木氏は、来週にも両院議員総会を開き、分党への手続きを進める考え。ただ、泉健太政調会長はこの後の会見で、役員会では分党を了承していないとの認識を示しており、党内調整は曲折をたどる可能性がある。
立憲民主党の常任幹事会であいさつする枝野幸男代表=11日午後、衆院議員会館
立憲民主党の常任幹事会であいさつする枝野幸男代表=11日午後、衆院議員会館
一方、立憲は11日の常任幹事会で、国民との合流に関し、新党の名称を投票で選ぶことを確認した。両党幹事長らがまとめた推薦人を20人以上などとする代表選規定案や綱領案も了承。枝野氏は常任幹事会で「速やかに手続きに入りたい」と語った。
野党合流は、安倍政権に対抗し得る勢力を目指して枝野氏が呼び掛けた。玉木氏は新党名を投票で決めるよう主張し交渉は難航したが、次期衆院選を控え速やかな合流を望む立憲側が譲歩した。立憲の福山哲郎幹事長は記者団に「大きな固まりができるよう今後も努力したい」と語った。
国民の党所属議員は62人(衆院40人、参院22人)。参院は合流慎重派が多い一方、衆院は推進派が多数で、党全体では過半数が立憲との新党に参加する可能性がある。無所属の野田佳彦前首相や岡田克也元外相のグループも、それぞれ早期の合流実現を訴えていた。
JIJI Press