
政府筋によれば、麻生財務相とイエレン米財務長官が1日、初の電話会談を行う。日米両国は新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響を緩和するための政策を引きつづき実行中だ。
関係者はロイターの取材に対し、問題の機密性により匿名を条件に電話会談は1日夜に行われる見通しだと語った。
麻生財務相は先月、国会で、米国の新財務長官とできるだけ早い時期にリモート会談を行いたい意向を示していた。また、主要な経済問題に対する日本政府の考え方は、イエレン氏の議会での発言の方向性と一致しているとの考えを示した。
日本の政策立案者らはバイデン政権下の通貨政策に重大な関心を持っている。日本政府は輸出の妨げとなる急激な円高に対処するために、長年、口先介入や為替市場への直接介入を行ってきたからだ。
イエレン氏は先月、ドルの価値は市場が決定すべきだと発言し、トランプ元大統領のドル安誘導路線から転換する姿勢を見せた。
「米国は競争優位性を獲得するためのドル安誘導は行わない。同時に他国による通貨安誘導の試みにも反対する」と述べている。
麻生財務相とイエレン米財務長官が通貨政策を議題とするかは不透明だが、円相場が1ドル=104円前後で安定していることから、現在、この問題が両国の間で大きな軋轢となることはないとみられている。日本政府が防衛ラインと見る1ドル=100円までには余裕があるからだ。
ロイター