
今冬の北海道はまとまった降雪が少なく、札幌市などで深刻な雪不足に見舞われている。オープンできないスキー場が相次ぎ、来年1月31日から開催予定のさっぽろ雪まつりへの影響も懸念される。市の雪まつり担当者は「ここまでの雪不足は記憶にない」と危機感を募らせている。
札幌管区気象台によると、27日夜時点での札幌市中心部の累積降雪量は約80センチと平年の6割ほどで、28日午前の積雪は約15センチ。冬の気圧配置が長続きせず、まとまった降雪が少ない上、12月中旬の平均気温が平年より3度ほど高く、雪が降ってもすぐに溶ける状況という。
市によると、雪まつり前には毎年、市の郊外などから10トントラック約3000台分の雪を集めている。準備は年明けから始まる予定だが、現状では例年集めている地区の分だけでは足りず、他の場所を探しているという。
28日午前現在、市内6カ所のスキー場のうち2カ所はオープンできず、3カ所は滑走コースを一部制限したり、子ども向けのそり体験に限定したりしている。開業のめどが立たない藻岩山スキー場(南区)のスキー学校は、レッスンを別のスキー場で行っている。担当者は「開校以来初めて。異常事態だ」と話す。
気象庁は、31日にも北海道に寒波が到来すると予想している。関係者は「年越しの大雪に期待したい」と口をそろえる。
時事通信社