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日本発のバイオテック企業は小さな虫を使って膵臓がんを検査する

神奈川県藤沢市にあるHIROTSUバイオサイエンスの研究所で、記念撮影の際に顕微鏡に接続されたモニターで線虫を指差す最高技術責任者のエリック・ディ・ルッチオ氏(2022年11月28日撮影)。(ロイター)
神奈川県藤沢市にあるHIROTSUバイオサイエンスの研究所で、記念撮影の際に顕微鏡に接続されたモニターで線虫を指差す最高技術責任者のエリック・ディ・ルッチオ氏(2022年11月28日撮影)。(ロイター)
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03 Dec 2022 02:12:30 GMT9
03 Dec 2022 02:12:30 GMT9

東京:日本のバイオテック企業は小さな虫の強力な嗅覚を利用した世界初の膵臓がんスクリーニングテストを開発したと発表した。

HIROTSUバイオサイエンスは今月、N-NOSE plusすい臓がんテストを日本の消費者向けに発売し、2023年までにアメリカでの発売も見込んでいる。

 利用者が尿サンプルを特殊な袋に入れて郵送すると、サンプルは線虫の一種が入ったシャーレに入れられる。同社によると、科学的にはC. elegansとして知られるこの線虫は犬よりも強力な嗅覚を持っており、鼻をたどってがん細胞を見つけるという。

この体長1ミリの線虫が持つ嗅覚は強力な診断ツールになる、と28年間この線虫を研究し続けてきた創業者兼最高経営責任者の広津崇亮氏は語る。

「がんなどの早期発見で特に重要なのは、非常に微量なものを感知できるということです」と広津氏はロイターに語った。「そのことに関しては、生物が持つ能力に機械の勝ち目は無いと思っています」

HIROTSUバイオサイエンスは2021年1月に利用者のがんリスクが高いかどうかを知らせるとする最初のN-NOSEの消費者試験を実施した。約30万人がテストを受け、5%-6%が高リスクとの判定を受けた。

最新版では、遺伝子を改変して膵臓がんのサンプルを避けるように泳ぐ線虫を開発した。同社が膵臓がん検査から着手した理由は、その診断の難しさと進行の速さからである。

今後は、肝臓がんや子宮頸がん、乳がんなどを対象とした検査を展開していく予定である。

膵臓検査キットの価格は7万円(505アメリカドル)であり、国による医療保険制度が整備され医薬品や治療の価格が国によって管理されている日本において、診断用検査としては比較的高価である。

この価格設定と線虫と膵臓の風刺画を用いたテレビCMはブランド構築の一環であると広津氏は語り、事業規模の拡大に伴って価格は下がるかもしれないと付け足した。

このような消費者への直接的なアプローチを批判し、結果の医学的有用性を疑う医師もいる。

シンクタンク「医療ガバナンス研究所」の理事長を務める上昌広氏は、実際の膵臓がんの症例数よりも偽陽性の数が大幅に多い可能性があり、その結果は「使い物にならない」と指摘した。

同社は、N-NOSEの精度は他の診断テストに匹敵するものであり、患者をより早く検査や治療に導くことができる早期スクリーニングツールとして意図していると反論している。

線虫の研究を何十年も続け、それが会社の基盤にもなっている広津氏だが、線虫に特別な思い入れがあるわけではないという。

「線虫のことが好きで、かわいいと答えなければならないような気がしますが、全然そんなことはないです」と言う。「本当に、研究材料としてしか考えていないんです」

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