
政府は14日午前、花粉症対策を議論する関係閣僚会議の初会合を首相官邸で開いた。岸田文雄首相は、来年の飛散期や今後約10年間を見据えた対策の全体像を6月までに取りまとめるよう指示。対策の3本柱として、発生源となっているスギの伐採を進め花粉の少ないものへ植え替えることなどを挙げた。
会議は、松野博一官房長官を議長に、農林水産、環境、国土交通などの関係閣僚で構成。首相は「この問題は一朝一夕で解決するものではなく、息の長い取り組みが必要となる」と述べ、連携して対策を実行するよう求めた。
対策の柱には、スギ植え替えに加え▽スーパーコンピューターや人工知能(AI)を活用した飛散予報の充実▽治療法の普及や医療体制の整備―を掲げた。6月に策定する経済財政運営の基本指針「骨太の方針」に向け、具体策を詰める。
野村哲郎農水相は同日午前の記者会見で、「花粉の少ないスギが植えられているのは、(スギ人工林の)1%に満たない。植え替えに重点的に取り組みたい」と述べた。
時事通信