
松野博一官房長官は19日、首相官邸で臨時に記者会見し、スーダン情勢の悪化を受け、在留邦人の退避に向けて、自衛隊機派遣の準備に入ったと発表した。大使館員を含め約60人の邦人全員と連絡が取れているとした上で、「主要各国とも緊密に連携し、邦人の安全確保に全力で対応する」と語った。
スーダンでは正規軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の衝突で多数の死傷者が出ている。日本政府は同日、官邸対策室を設置。林芳正外相は輸送に必要な準備を浜田靖一防衛相に要請し、防衛省は直ちに着手した。
在留邦人はNGOや国際協力機構(JICA)の職員ら。松野氏は会見で「これまでのところ邦人の生命、身体に被害が及んでいるとの情報には接していない」としつつ、「水・食料が不足し、頻繁に停電が起こるなど厳しい状況にある」と話した。
防衛省幹部は「スーダンに上空通過の了解をこれからもらう。早く飛ばした方がいい」と述べ、現地空港の状況把握などを急ぐ考えを示した。
時事通信