

新型コロナウイルスの集団感染が発生し、横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から退避する米国人の乗客乗員を乗せた米政府のチャーター機2機が17日朝、羽田空港を出発した。日本政府によると、搭乗したのは米国人とその家族計328人。2機はそれぞれカリフォルニア州とテキサス州の空軍基地に向かい、乗客らは到着後、感染の有無を見極めるため14日間隔離される。
ロイター通信によると、船内では16日、防護服姿の米当局者らが乗客の部屋を個別に訪ね、下船するかどうか意思確認。乗客らは下船後、船が停泊する横浜市の大黒ふ頭で自衛隊の運行するバス約10台に分乗し、羽田空港へ向かった。
米メディアによれば、在日米大使館は当初、船内の自室で14日間の健康観察期間を過ごすよう乗客に促していたが、15日になり一転してチャーター機の派遣を明かし利用を勧告した。ウイルスによる症状がある人はチャーター機に乗れず、自らの意思で搭乗を見送った場合、下船後14日間は帰国を認めない方針も伝えた。
米紙ワシントン・ポスト(電子版)によると、同船の米国人感染者は44人に上るという。
一方、日本政府はウイルス検査で陰性だった乗客について、観察期間が過ぎる19日以降に下船させる方針。下船が近いことに加え、チャーター機内での感染リスクや荷物の制限、帰国後の隔離を嫌い、船内にとどまった米国人乗客もいるもようだ。
JIJI Press