
国際連合:国連事務総長は先月31日、イスラエルとハマスの紛争が激化していることを「深く懸念」していると述べ、国連難民機関は分断が起きている安全保障理事会に対し行動を取るよう訴えた。
15カ国で構成される安保理は3週間に渡って続いている今回の中東戦争に対してこれまで一切決議の採択を行っておらず、4つの草案を棄却している。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、「イスラエル国防軍による地上作戦と、それに伴う空爆の激化、イスラエルからガザ地区に向けたロケット弾発射の継続」をはじめ、戦闘が激化していると述べた。
「当初より、現行の戦闘の矛先は民間人に向けられてきました」グテーレス氏は声明でそう述べた。
「私は改めて、10月7日にハマスが行ったテロ行為に対する断固たる批難を表明します。民間人の殺害、負傷、誘拐に対する正当化など決してありえません。ハマスによって人質となっている民間人の即刻無条件での解放を要請します。
「私はガザ地区での民間人の殺害を批難します。犠牲になった人々の3分の2が女性と子どもであるという報告に動揺しています」
さらにグテーレス氏は、「ガザ地区を超えて危険が拡大するリスク」についての懸念を強調した。
先月31日に苛烈な戦闘が発生するなか、国連難民高等弁務官は国連安保理に対し、団結し停戦を後押しするよう訴えた。
「人道的停戦により、少なくとも死の悪循環を止めることはできます。私は皆さんが分断を乗り越え、厳格に権限を行使することを願っています」フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官はニューヨークで行われた安保理でそう述べた。
グランディ氏は報道陣に対し、ガザ地区への支援提供が最も重要な人道目標だと述べた。
「パレスチナの人々はガザを離れることを望んでいません。彼らはガザに支援が届けられることを望んでおり、それこそが優先されるべきなのです」グランディ氏はそう述べた。
安保理草案の一部は、イスラエルの自衛権が織り込まれていなかったため米国に拒否された。また、明確な停戦要求が盛り込まれていないことを理由にロシアと中国が拒否権を発動したものもある。
イスラエルは、10月7日に国境を超えて侵入したハマスの銃撃犯らが起こした残虐な襲撃により、同国史上最悪となる約1,400人の犠牲者(イスラエル当局発表)を出したことを受け、ガザ地区に対してこれまでで最も激しい軍事作戦を開始した。
先月31日、イスラエルの戦闘機はガザ地区に対して引き続き容赦ない集中砲火を行い、ハマスが運営する保健省発表によるとこれまでに子ども3,500人を含む少なくとも8,525人が死亡したとされている。
AFP