
エルサレム:19日、イスラエルは、6週間破壊的な攻撃を受けているガザ地区最大の病院で、捕虜の兵士1人が処刑され、外国人の人質2人が拘束されているとして、ハマスの虐待に対する非難を強めた。
一時は数万人のパレスチナ人戦争難民の避難所になっていたアル・シファ病院は、先週、ハマスが隠れている本部の根絶を名目にイスラエル軍が侵攻を開始して以来、患者と職員を避難させている。
また、イスラエルは、戦争の発端になった10月7日の越境襲撃の後にハマスがガザに拉致した約240人の捜索も続けている。
うち1人は、先週シファ病院の近くで遺体が収容された19歳のイスラエル軍徴集兵ノア・マルシアーノ氏だった。ハマスは、彼女がイスラエル軍の空爆で死亡したと発表し、頭部の傷だけが確認できる、彼女の遺体を映したと見られる映像を公開した。
イスラエル軍は、法医学捜査の結果、彼女が殴打されて重傷を負ったことが判明したと発表した。
イスラエルの報道主任であるダニエル・ハガリ海軍少将は、「諜報情報—確かな諜報情報によると、ノアはハマスのテロリストによってシファ病院内に連行されました。そこで彼女はハマスのテロリストに殺害されました」と述べた。
具体的な説明はなかった。
ハガリ少将はテレビ会見で、ハマスの戦闘員が、10月7日の襲撃で捕らえた外国人労働者のうちネパール人1 人とタイ人1人もシファ病院に連行したと述べた。人質2人の氏名は明らかにしなかった。
ハガリ少将が公開した監視カメラの映像には、男性のグループが1人を無理やり病院に連れ込み、医療関係者らが驚きを見せる様子が映っていた。2本目の映像には、負傷して担架に乗せられた男性の姿が映っていた。その近くには小銃を持った別の私服の男性が見える。
ハガリ少将の発言についてハマスはコメントを出していない。ガザを運営するこのパレスチナのイスラム過激派組織は、先日、人質数人を治療のために病院に搬送したと発表していた。
この件とは別に19日、イスラエル軍は、パレスチナ人がシファ病院敷地内地下10メートルに掘った長さ55メートルのトンネルだとして内部映像を公開した。
ハマスは、パレスチナの飛び地全域に数百キロメートルに及ぶ秘密トンネル、地下壕、坑門のネットワークが存在するのを認めているが、それが病院などの民間インフラ内にあることは否定している。
同映像では、アーチ型のコンクリート屋根に覆われた狭い通路が見られ、イスラエル軍が声明の中で防爆扉だと説明した場所で終わっている。
この声明では、扉の反対側の状況については言及されていない。トンネル内には、シファ病院の敷地内にある軍需品が保管されていた小屋で見つかった坑道を通って進入していたという。2本目の映像には、敷地内にある屋外の立坑の開口部が映っていた。
ガザ保健省ディレクターのムニール・エル・バルシュ氏は、トンネルについてのイスラエルの声明を「まったくの嘘」として一蹴した。
そして、「彼らが病院に入って8日たちますが、まだ何も見つけていません」とアルジャジーラのテレビで語った。
ロイター