
マドリード:国連の人権専門家は18日、「執拗に繰り返す」爆撃でガザ地区を完全に破壊し、何千人ものパレスチナ人を殺害したイスラエルは国際法に違反していると述べた。
イスラエルは、ガザへの攻撃はジェノサイド(民族大量虐殺)と非難する南アフリカによって国連の国際司法裁判所に提訴され、審理が始まった。そんな中、パレスチナ自治区を担当する国連特別報告者であるイタリア人弁護士フランチェスカ・アルバネーゼ氏のコメントが発表された。
同氏はマドリードの記者会見で、イスラエルには自衛する権利はあるが、「戦闘に積極的に参加していない人々を守るために」国際人道法を尊重せねばならないと語った。
これは、戦闘員と民間人を区別し、民間人に行き過ぎた危害を加えないようにするため、比例した軍事攻撃にすることを意味する。
「しかし実際に何がおこったかといえば、100日以上にわたり執拗に繰り返される爆撃である。最初の2週間で、人口密度の高い地区に対して週に6000発(2000ポンド)の爆弾が使用された」同氏は次のように続けた。
「ほとんどの病院は機能不全に陥っている。そのうちかなりの数の主要な病院が閉鎖され、爆撃を受け、軍に接収されている。爆撃を受けたという理由だけでなく、傷を治療するための医療インフラが十分でないという理由で、今も人々が亡くなっている」
「毎日、手脚を1本2本と切断される子どもたちの数は恐ろしいことになっている。(この紛争の)最初の2カ月間で、1000人の子どもたちが麻酔なしで手脚を切断されている。あまりにもおぞましいことだ」
ハマスの戦闘員がイスラエル南部で攻撃を開始して以降、パレスチナ地区は戦闘で徹底的に破壊されている。イスラエルの公式統計に基づくAFPの集計によると、民間人を中心に死者数は約1140人となった。
イスラエルは執拗な爆撃と地上攻撃で報復している。ガザ保健当局の統計によると、少なくとも2万4620人のパレスチナ人が殺害され、その内約70%が女性、子ども、青少年だという。
特別報告者は国連のスタッフではなく、人権の分野を監視する国連人権委員会によって任命される独立した専門家である。
アルバニーズ氏は、ハマスによる暴力行為を「断固として非難」すると述べ、同氏によるとハマスの行為は戦争犯罪に相当し、人道犯罪にもなるかもしれないという。しかし、「イスラエルの行為を正当化するものは何ひとつない」と主張した。
南アフリカは先週、国際司法裁判所にイスラエルを提訴した。しかし、イスラエルは米国を始め他の同盟国から支持を受け、激しく抵抗している。
AFP