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ガザ危機には「正しい診断と確固たる治療」が必要と エルドアン大統領

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、世界政府サミットにおいて、問題の元凶に対処し、独立したパレスチナ国家を樹立することによって、世界の指導者たちはガザでの危機を終わらせなければならないと述べた。(提供/WGS)
トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、世界政府サミットにおいて、問題の元凶に対処し、独立したパレスチナ国家を樹立することによって、世界の指導者たちはガザでの危機を終わらせなければならないと述べた。(提供/WGS)
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13 Feb 2024 09:02:17 GMT9
13 Feb 2024 09:02:17 GMT9
  • トルコの指導者は、ハマスが主導した10月7日の襲撃が危機の元凶であるとの主張に反論した
  • エルドアン大統領の発言は、世界的な抗議にもかかわらず、イスラエルがラファでの地上攻撃の準備を進めているなかで飛び出した

シェルーク・ザカリア

ドバイ:世界の指導者たちは、問題の元凶に対処し、独立したパレスチナ国家を樹立することによって、ガザの危機を終わらせなければならない、とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は述べた。

「正しい治療を行うためには、正確な診断が必要だ。問題の元凶を診断することができなければ、解決策はない」とエルドアン大統領は、ドバイで開催された世界政府サミットの主賓演説で語った。

「独立したパレスチナ国家がなければ、一時的な解決策を見つけることはできないだろう」

トルコの指導者は、ハマスが主導した10月7日の襲撃が危機の元凶であるとの主張に反論し、1948年以来の不公正とイスラエル領土の拡大に対するパレスチナの長期にわたる苦闘を強調した。

国連安全保障決議に違反する占領地での入植は、「イスラエルが自らを国際法より上位の存在とみなし、これまで何十年もの間、占領、違法入植、虐殺政策が維持されてきた」ことを示している、とエルドアン大統領は述べた。

ガザ紛争は、重要な問題を未解決のまま放置するとどうなるかを示す一例だ、と同大統領は付け加えた。

「決着がつかなかった未解決の事件はすべて、時間の経過とともに大きくなり、より複雑に絡み合って膠着状態となり、何度も復活する。我々がうやむやにしてきたものは、未解決のままなのだ」

エルドアン大統領の発言は、イスラエルが、世界的な抗議にもかかわらず、避難民となった140万人ものパレスチナ人が避難場所を求めて押し寄せているラファでの地上攻撃の準備を進めているなかで飛び出した。ガザに対する戦争により、これまでに28,000人以上のパレスチナ人が殺害され、70,000人が負傷し、ガザ地区は瓦礫の土地と化した。

トルコの指導者は、1967年6月の国境線内に独立したパレスチナ国家を樹立することを求めた。エルドアン大統領は、これによって地域の平和、安定、経済発展が実現すると述べ、「もし我々が世界の将来を見据えたいのであれば」と、効果的なグローバルガバナンス、連帯、協力を呼びかけた。

一部のヨーロッパ諸国が資金援助を停止する中、各国政府は国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)を支援しなければならない、と同大統領は付け加えた。

UNRWAは、ヨルダン、シリア、レバノン、そして占領下にあるパレスチナに住む約600万人のパレスチナ人移民にとっての「命綱」であると、エルドアン大統領は述べ、「数十年前、ヨーロッパの侵略から逃れてきたユダヤ人移民に門戸を開いてきた国の指導者として、私はこのような呼びかけをしている」と付け加えた。

トルコは現在、380人のパレスチナ人患者の治療を行い、ガザから避難してきた344人の患者家族を受け入れているとエルドアン大統領は述べ、イスラエルの戦争犯罪疑惑をめぐる国際司法裁判所での国際法の適用について、トルコ政府は追跡調査を行っていると付け加えた。

「我々はパレスチナの兄弟姉妹を決して見捨てない。我々は、彼らを決して希望もなしに放置したりはしない」とエルドアン大統領は述べ、国際司法裁判所での南アフリカ共和国の活動に感謝の意を表した。

国際的な課題に関して、トルコの大統領は、世界が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに動揺している間に、ロシアとウクライナとの戦争が勃発したことに触れ、危機と緊張の悪循環が現在世界を定義していると述べた。

この戦争は、エネルギー価格の高騰、食糧危機、不規則な移民、新たな課題を引き起こすなど、世界経済に影響を与えていると同大統領は述べた。

エルドアン大統領は、これらの新たな課題に立ち向かうため、世界的な取り組み、忍耐、協力を呼びかけた。

トルコの大統領は、2月14日まで開催される今年の世界政府サミット(WGS)に参加している25カ国の首脳の一人である。このサミットでは、85以上の国際機関や地域機関、世界的な機関、140カ国の政府、世界的なオピニオンリーダーや専門家が一堂に会した。

200人を超える著名な講演者が、110を超えるセッションを通じて、世界的な将来のトレンドについて講演する。2024年の世界政府サミットには、4,000人以上が参加し、300人以上の閣僚が出席する23以上の閣僚会議やエグゼクティブセッションも開催される。

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