
Najia Houssari
レバノン:レバノンのムスタファ・アディブ次期首相は金曜日、新政府樹立に向けて努力を続ける中、ミシェル・アウン大統領に「閣僚ポストを様々な宗派に分配してから、誰を大臣に指名するか最終的に決める」という案を提示したと、情報筋は伝えた。2人は土曜日に再び会談し、さらなる議論を行う予定。
アディブ氏はヒズボラとアマルからの持続的な圧力に直面している。ヒズボラとアマルは、財務大臣という重要な役職だけでなく、すべての閣僚ポストをシーア派が占めるべきだと要求している。
これは、主要政党のメンバーではない、すべての宗派を代表する独立した専門家による小さなチームの設立を求めるフランスのイニシアチブに基づいて、「誰もが満足できる政府」を樹立するためのアディブ氏の努力を危うくしている。
政府筋によると、アディブ氏は、木曜日の夜にヒズボラやアマルの代表者と会談した際に、彼らから財務大臣を選ぶためのシーア派の名前が載ったリストの受け取りを拒否した。
翌日の金曜日の説教で、大法学者アフマド・カバラン氏は次のように述べた。「私たちは自分たちで大臣を指名することを主張しており、それが誰になっても、他の誰かが指名した大臣であれば受け入れない」
経済専門家は金曜日、政府樹立に関する継続的な議論は「貴重な時間の浪費」で、レバノンにはない贅沢だと述べた。彼らは、国の最善の利益より政治的利益を優先し続けていることを批判し、「レバノン国民の生死に関わる問題だ」と警告した。
新首相はヒズボラとアマルからの持続的な圧力に直面している。ヒズボラとアマルは、すべての閣僚ポストをシーア派が占めるべきだと要求している。
経済専門家は「数千人が廃業に追い込まれ、数万人が職を失い、レバノン国民の55%が貧困線以下の生活をしている。必需品は不足し、リバン銀行(レバノン中央銀行)の資金は枯渇している」と指摘している。一方で、専門家やビジネスマンが国外に流出しており、「レバノンの最も強く最も重要な資産の1つを失う恐れがある」としている。
アディブ氏は金曜日、ヒズボラの盟友からのさらなる障害に直面した。マラダ潮流の党首であるスレイマン・フランギー氏が、新政府で自分の党の代表が誰になるかを、次期首相が自分に相談せずに決めることに同意していないと発表したのだ。
一方、レバノン民主党のタラル・アルスラン党首は、アディブ氏に「議会に敬意を示す」よう要求した。
他の人々は、大統領が知らない閣僚のリストを承認することはできないと警告し、シーア派の政党に財務大臣の地位を与えることで、他の宗派が主張する閣僚ポストへの権利を否定してはならないと警告した。
「フランスのイニシアチブは、特定の利益と地域的・国際的な打算との間の対立のために妨害されている」とレバノンのビラル・アブダッラー議員は述べた。同議員は「国はもはやこれに耐えられず、今のままでは崩壊するかもしれない」と懸念を示した。
同議員は、アディブ氏が新政府を樹立し、フランスのイニシアチブにチャンスを与えるための努力を続けることに期待していると付け加えた。
レバノンの学者であるハレス・スレイマン博士は「ヒズボラとアマルの選択は、イランの持ち分を守りたいのか、それとも彼らの支持者やレバノンのシーア派を含めたレバノン国民の生活を優先させたいのか、という優先順位によって決まる」と述べた。
同博士は加えて次のように指摘した。「(アマルの書記長で国会議長のナビーフ)ベッリ氏は、財政が逼迫(ひっぱく)している時に財務大臣ポストを望んでおり、国際社会は腐敗している者を取り除くことと、レバノン経済を救うための改革の実施を要求している」
「であれば、レバノンが国内、アラブ社会、国際社会の支持を受けられるように、街頭の抗議者の要求を満たす独立した政府をベッリ氏が受け入れるだろうか。もしそうならば、彼はヒズボラとその盟友の権力者をたばかることになる。そうでなければ、ハッサン・ディアブ氏の暫定内閣は続き、危機と制裁も続くだろう」