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スーダンのビジネスマンが「アイスブレーカー」としてのイスラエル旅行を企画

2020年10月13日に、スーダンの首都ハルツームの自邸で、スーダンのビジネスマン、アブ・アル=カッセム・ボーツームがAFP とのインタビューで話をする。 (AFP)
2020年10月13日に、スーダンの首都ハルツームの自邸で、スーダンのビジネスマン、アブ・アル=カッセム・ボーツームがAFP とのインタビューで話をする。 (AFP)
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16 Oct 2020 10:10:40 GMT9
16 Oct 2020 10:10:40 GMT9
  • ボーツームは、彼の企画するイスラエル旅行に同行してもらうため、あらゆる類の生業・地域・民族性を背景とするスーダン人40名をリストアップした
  • 彼は当時政権を握っていたイスラム体制からの怒りを買い、2015年に停職処分となった

ハルツーム:ビジネスマン、アブ・アル=カッセム・ボーツームの大豪邸はスーダンのハルツームにあり、正面にはワシントンDCのホワイトハウスを模した円柱が並 ぶ。その自邸から彼の諸説粉々たる計画についてボーツームが興奮気味に語る。

ボーツームは、彼の企画するイスラエル旅行に同行してもらうため、あらゆる類の生業・地域・民族性を背景とするスーダン人40名をリストアップした。彼はその旅 によって人々の疑念や恐れを払拭させたいと考えている。

「大学教授、労働者、農夫、歌手、スポーツ選手、さらにはスーフィ教徒まで含まれている」と ボーツーム(54)は語る。彼は農作物運輸会社の社長を務めている。

しかし、その計画はスーダンで物議を醸しており、国の指導者達の間では、ユダヤ人の国との国交正常化問題について意見が分かれている。

ボーツームによると、彼は11月に5日間の旅を企画しており、経費は16万ドル、つまり一人頭4,000ドルで、名前は伏せられているが「 イスラエルの民間人」が同行するという。

「その目的は、国交正常化のためのきっかけ作り」だと彼は言う。

元国会議員のボ−ツームは、当時政権を握っていたイスラム体制からの怒りを買い、2015年に停職処分となった。彼はイスラム法の廃止とイスラエルとの国交を主張していたのだった。

彼はイスラエルへ行ったことがなく、イスラエル当局とのつても持っていないと いう。

イスラエルとスーダンには国交がなく、この二国は事実上何十年にも渡って戦争状態にある。

ボーツームは、10年以上前に渡航制限が解除されているので、イスラエルへ行けない理由はないと言う。

「普通の市民にとっては心理的な壁がある。イスラム教のイデオロギーの染み付いた知的階級、左翼、アラブ系国粋主義者たちがその理由だ」とボーツームは言う。

調査政策研究アラブセンターによって先週発表された世論調査では、スーダンの回答者のたった13%しかイスラエルとの国交を支持しておらず、79%が反対して  いる。

ボーツームはイスラエルによるパレスチナ領土の占領問題については度外視して いる。

「私は自分の国の利害のことを気遣っているのであり、ユダヤ人の国に対する我々の敵意によって自ら災いを招いていると思っている」とボーツームは言う。

「わが国は天然資源に恵まれている — それなのに物乞いをするまでに成り下がっている」

スーダンの経済は危機的状況にある。スーダンはテロリスト擁護が疑われる国として米国のブラックリストに載っているため、制裁が科されていることがその理由の一つだ。

その制裁によって経済は切迫した状況となっており、投資も開発も阻止されて いる。

そのためにスーダンはテクノロジーへのアクセスも阻まれている、とボーツームは言う。

「イスラエルとの合意が結ばれれば、我が国にとっては西洋の技術投資への門戸が開かれることになる」と彼は言う。

「イスラエル自体は小国だが、その市民達はヨーロッパや米国の経済に影響力を 持っている」

スーダンの暫定政府は、1年前にイスラム保守派のオマール・アル=バシル大統領が失脚したのちに政権を握り、かつてのライバル派閥を取りまとめて連立政権を打ち立てている。

バシル政権下ではイスラエルとのいかなる取引も考慮の余地は皆無だった。

しかし、トップの指導者達の間には依然として様々な意見がある。イスラエルとの合意には、その脆弱な政治的団結を打ち崩すことになるリスクがあるからだ。

スーダンの暫定ソブリン評議会の議長をつとめるアブデル・ファタ・アル・ブルハン中将が、2月にウガンダでイスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ首相と会見している。

同評議会の副議長で準軍事部司令官のモハメド・ハムダン・ダグロは、あからさまな支持の姿勢を示している。

「イスラエルは先進国だ…我が国の発展のためにはイスラエルが必要だ」と彼は 言う。

9月にイスラエルは米国を仲介としてアラブ首長国連邦及びバーレーンと国交正常化合意に調印した。

米国のドナルド・トランプ大統領政権はスーダンがそれに続くことを望んでおり、8月にマイク・ポンペオ国務長官が来訪して国交正常化合意の圧力をかけた。

しかし後日アブダラ・ハムドク首相は、米国政府はそのブラックリストからスーダンを外す案件とイスラエルの承認とを切り離すべきだと述べている。

ハムドク首相は先月、国交正常化には「多くの他の複雑な問題」が含まれており、その件については「国内社会で議論を掘り下げる必要がある」と述べた。

この静観的な姿勢がボーツームの背中を押すこととなった。

「ハムドク政権にはビジョンがない — 経済問題についても国際関係についてもだ」とボーツームは言う。

スーダンは記録的なインフレに見舞われており、先月のインフレ率は212%という最高値を記録した。

しかし、反対意見はスーダンの宗教当局からも出ている、と同国イスラム法評議会のアデル・ハッサン・ハムザ事務総長は言う。

「50議席中40票をもってファトワを発令し、その中でイスラエルはパレスチナ領土を占領しているためイスラエルとの国交を禁ずる、とされている」とハムザ事務総長は述べた。「私は政府がこの勧告に従うと思っている」

 しかしボーツームは彼の旅行によって国民間の信頼が築かれると確信しており、実行に移す決意を固めている。

「イスラエル問題は政治的なものであり、宗教的なものではない」とボーツームは言う。「私の旅行が好ましくない反応をもたらすことはわかっているが、私はそれを恐れてはいない」

AFP

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