
アラブニュース
ロンドン:アムネスティ・インターナショナルが火曜日に発表した報告書によると、カタールで働く女性移民労働者は定期的に極度の虐待を受け、頻繁に長時間労働を強いられている。
カタールで働く女性移民家事労働者105人の経験を調査した報告書によると、過度な長時間労働を強いられる、適切な賃金が支払われない、食事を与えられない、雇用主の手で性的暴行を含む過度の身体的虐待を受けた、といったケースが報告されているという。
報告書には、定期的に殴られていた女性15人のケースが記録されているほか、40人が、平手打ちを受けた、唾を吐かれた、髪を引っ張られたと答えたと報告されている。ほとんどの女性が頻繁に侮辱を受けており、ある女性は雇用主から「犬のように」扱われていると答えたという。
別の女性は、雇用主から舌を切り取って殺すと脅されたと答えた。「私はただ(メイドの)仕事をしているだけだから、なすすべがない」と女性はアムネスティに語った。
105人のうち87人が、雇用主にパスポートを没収されて帰国できなくなり、カタール当局からの保護も受けられないと回答した。
インタビューを受けた女性のうち90人が、1日14時間以上働いていると答え、18時間労働は普通のことだと回答した女性は半数に上った。これは契約書に定められている標準時間の2倍の労働時間である。一度も休みをもらったことがない、という女性も多数いた。
アムネスティが調査した女性のうち5人は、雇用主またはその家族の手で性的虐待を受けたと述べ、1人は、雇用主の息子が別の家事労働者をレイプしているのを目撃したと付け加えた。
女性とその同僚は、雇用主からお金を払うから誰にも言うなと言われたという。お金を拒否し警察に出向いた2人は、虚偽供述の罪を着せられてしまった。
カタールには移民家事労働者が約17万3,000人、全体で270万人もの外国人労働者がいると考えられている。つまり同国の人口の90%近くを外国人労働者が占めることになる。インド、ネパール、バングラデシュ、フィリピンからの出稼ぎが多い。
カタールは、こうした労働者に対する組織的虐待の疑惑に付きまとわれてきた。疑惑の中には、労働者が組合を設立する権利を否定されたり、雇用主の許可を得ずに帰国する権利を長年否定されてきた、というものもある。
カタールが2022年FIFAワールドカップの開催権を獲得して以来、同国の移民労働者の扱い方に世界中の目が注がれてきた。
賃金の滞納や未払い、不十分な住居、雇用主による搾取的行為といった問題が、依然として続いている。
最低賃金や2017年家事労働者法といった機能を導入しようとする動きにより、表向きは、労働時間、休憩、休日、短期休暇祝日などの権利が保証されていることになっているが、それにもかかわらず、措置はほとんど行使されておらず、移民の家事労働者はとりわけ置き去りにされたままになっている、とアムネスティは述べている。
「私たちが話を聞いた女性たちは強靭で、自立していました。なにしろ、自分の家を出て地球の裏側まで来たぐらいですから。孤立し沈黙を強いられるのではなく、この女性たちには発言の場を与えてあげるべきです。自分たちの権利を主張できるように」と、アムネスティで経済的・社会的正義を担当するスティーブ・コックバーン氏は述べた。
「家事労働者の方々が私たちに話してくれたところでは、毎日休みなしで平均16時間働いているということでした。これは法律で認められている時間をはるかに超えています。ほとんどすべての人が雇用主にパスポートを没収されていましたし、給料をもらえなかったり、悪質な侮辱や暴行を受けているという人もいました」とコックバーン氏は付言した。
「雇用主が家事労働者を人間としてではなく所有物として扱い続けるのを許すシステムが全体像としてあります。労働法を改革しようとする努力にもかかわらず、カタールは国内で最も弱い立場にある女性たちを未だに見捨てたままにしています」
カタール政府は声明で、政府は報告書によって提起された疑惑について調査を行い、「すべての加害者」が確実に責任を問われるようにすると表明した。
「もし事実であることが証明された場合、インタビューを受けた個人による申し立ては…カタールの法律の重大な違反に当たり、法律に応じて対処されるべきた」と声明で付言した。