
アデン:12月31日(木)、イエメンの新連立政府が内乱で分裂した国家に安定をもたらすことを誓った。その前日には、アデンの空港で新内閣メンバーを標的とした爆破攻撃があり、死傷者を出している。
その攻撃で26人以上が死亡、内3人は赤十字国際委員会メンバーだった。イエメン南部のアデン市の空港で新内閣の閣僚らが航空機から降りてきたところへ爆音が轟き、多くの人々が負傷した。
閣僚らは全員無事と報告されている。一部の閣僚はイランが後ろ盾となっている フーシ派の反乱軍による攻撃とみている。
AFP 撮影の動画には、寸前まで大衆で混み合っていた空港のエプロン区域にミサイルが撃ち込まれ、大きな火の玉が炸裂する様子が映っている。
しかし、今のところその爆発の原因は特定されていない。
12月31日(木)、アハメド・ビン・ムバラク外相が、新たな連合政府は長年アラビア半島で最も貧しい国となっているイエメンが直面している課題にこれから取り組んでいく、とAFPに語った。
「政府はその任務を全うし、イエメンの安定回復に取り組む覚悟だ」と彼は言う。
「このテロ攻撃によってそれが阻まれることはない」
5年に及ぶ悲惨なイエメンの内乱により、何万人もの人々が殺害され、その大半が一般市民であった。また何百万人という国民が住む家を失っている。国連はこの状態を人道上世界最悪の悲劇と言っている。
新規内閣閣僚らは、フーシ派反乱軍に対抗する連合軍を統率しているサウジアラビアにて、イエメンのアブド・ラッボ・マンスール・ハーディー大統領により正式任命を受けた数日後にアデンに降り立った。
ハーディー大統領は2014年にフーシ派によってイエメンの首都が陥落後、リヤドへ亡命している。
新政府はハーディー派の閣僚、分離派の南部暫定評議会支持者、その他の政党から構成されている。
政府の全員がフーシ派反乱軍に相対する立場は同じだが、それぞれの派閥間には分裂が深まっており、分離派と中央政支援軍の間ではアデンやその近郊で散発的に軍事衝突が起きている。
サウジアラビアは、イエメンの新連合政府が「市民戦争内の戦争」を鎮圧し、フーシ派反乱軍に対抗する連合軍を支援するよう促している。現在フーシ派はサヌアおよび北部広域を支配下に収めている。
ムバラク外相など一部の閣僚は、先日の攻撃をフーシ派反乱軍によるものとみているが、他の政府官僚たちは慎重な立場を保っている。
「情報および予備調査からはこの卑怯なテロ攻撃の背後にフーシ派反乱軍が関与していることがうかがえる」とムバラク外相はAFPに語り、ミサイルは反乱軍の拠点地域から発射されたと言う。