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米国のイラン核合意復帰に向けて、来週新たな協議が行われる

首都テヘランの南西250キロ、中部の都市アラクの近くにある核施設、アラク重水炉の写真。2011年1月15日撮影(APの写真/ISNA, 資料写真)
首都テヘランの南西250キロ、中部の都市アラクの近くにある核施設、アラク重水炉の写真。2011年1月15日撮影(APの写真/ISNA, 資料写真)
米国は主な交渉には直接参加しないが、EUは、仲介役が米高官との「個別の折衝」を行うと発表した。(資料写真/AFP)
米国は主な交渉には直接参加しないが、EUは、仲介役が米高官との「個別の折衝」を行うと発表した。(資料写真/AFP)
テヘランの南西250キロ、イランのアラク重水炉の原子炉の第2回路で作業する技術者たち。2019年12月23日撮影(APの資料写真)
テヘランの南西250キロ、イランのアラク重水炉の原子炉の第2回路で作業する技術者たち。2019年12月23日撮影(APの資料写真)
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03 Apr 2021 08:04:18 GMT9
03 Apr 2021 08:04:18 GMT9
  • イランが「ペルシャの爆弾」を作るのを防ぐには、GCCが交渉に参加することがきわめて重要だ、とアナリストはアラブニュースに話す
  • 外交官らは2日朝、2015年合意を復活させるための取り組みの一環として、イラン政府と米政府の高官が来週ウィーンを訪れるだろうと言っていた

ヘブシ・アル-シャマリ

リヤド:世界の大国とイランは2日、米国の、別名イラン核合意として知られている2015年包括的共同行動計画への復帰の確保に向けて進展する可能性に注目した。大国は、米高官との往復外交を含む新たな協議を来週行うことで合意した。

中国、フランス、ドイツ、ロシア、英国が、イランの核開発の野望に関する合意に参加している。EUの広報担当者によると、高官らはビデオ会議の後、6日にウィーンで対面協議を行う予定だ。

米国は、ドナルド・トランプ前大統領が2018年に核合意から離脱したため、主な交渉には直接参加しない。しかしEUは、仲介役がウィーンで米高官と「個別の折衝」を行うと発表した。

欧州外交筋は「イランと米国は同じ場所にいるが、同じ部屋には入らない」と述べた。

イランのジャバド・ザリフ外相は、今回の協議の目的は、「全制裁の解除を詳細に計画するために、制裁解除と核合意事項に関して迅速に決着することで、イランが改善策をやめるのはその後だ」と主張した。

「イランと米国の会合は必要ない」と同氏はツイッターに投稿した。

米国務省のネッド・プライス報道官は、ウィーンでの協議は「健全な一歩」だとし、イラン政府との直接協議には「オープンであり続ける」と述べた。

しかし、「まだ初期の段階であり、今後も難しい議論が続くため、すぐに突破口が開けるとは思わない」と慎重な見方を示した。

遅延を利用するイランのやり方は、中東と世界にさらなる戦争と不安をもたらすだけだろう。

クウェートのアナリスト、Ayedh, Kuwaiti博士

2日にオンラインで開かれた会議の議長を務めたEUの外交官、エンリケ・モラ氏は、今回の会議は「前向きだった」と言いつつも、核合意を復活させるには、やることがたくさんあると警告した。

「JCPOAを復活させる重要な機会までにやるべき仕事がかなりある」と同氏はツイートした。

調停役のEUの高官は、2カ月以内に米国の核合意復帰に関する最終合意に達したいと述べた。

同高官によると、他の参加国の専門家らで構成される2つのグループが同時に作業を行い、1つのグループは米国による制裁に、もう1つのグループはイランに違反行為をやめさせることに集中する。

中東では専門家らが、湾岸諸国が今回の協議に参加することを求めた。湾岸諸国は、イラン政府や、イランの支援を受ける多くの民兵、ミサイルや武装無人偵察機の膨大な備蓄による攻撃を直接受けているからだ。

クウェート情報省のHadi bin Ayedh博士は、アラブ諸国、特にGCCは、イランとの核合意に関する現在継続中の交渉に参加すべきだと強調した。

同氏は、現在の緊張や、アラブ諸国へのイランの干渉を考えると、アラブ諸国の参加は中東地域にとって有益だと述べた。

Bin Ayedh氏は、遅延を利用するイランのやり方は、中東地域と世界にさらなる戦争と不安をもたらすだけだろうと指摘した。

GCC諸国が前回の合意に参加しなかったことで、イランはイエメンやシリアなどに甚だしく干渉する機会を得た、と同氏は述べた。

こうした問題は、米国の参加とともに、次回のイランとの交渉の一部となるべきであり、イランと他の国々が結ぶ合意の一部を形成すべきだ、と Bin Ayedh氏は話した。

「イランの核計画は湾岸諸国に最も大きな被害をもたらしている。イランの核施設のいくつかは、イランの都市よりも湾岸諸国の近くにあるからだ。したがって、特に原子炉からの放射性物質の漏れがある場合、多くの脅威と危険をもたらす」と同氏は述べた。

加えて、近くにあるということは、GCC諸国の公衆衛生に深刻な脅威をもたらす。したがって、GCC諸国は参加し、「そうした懸念が現地で現実に起こった場合は、国際的な保証を要求すべきだ」と同氏は述べた。

国際関係学の研究者であるBin Ayedh氏は、GCC諸国は交渉に参加していない、もしくはそうする機会を与えられていないと述べた。

「GCC諸国は今、イランが国益を守ろうとするのと同じように、自分たちの利益を守るために、全力を尽くして交渉に参加すべきだ」と同氏は述べた。

Bin Ayedh氏は、イランはウラン濃縮を利用してアラブ諸国と中東の安全を脅かしていると指摘した。

「イランが引き受け、アラブ諸国がイラクの将来に関する合意や交渉に参加しなかったことで、イラクが破壊され、混乱に陥ったことを、全世界が目の当たりにした。参加しなかったことで、イランを優位に立たせてしまった」と同氏は述べた。

「これはGCC諸国が学ぶべき教訓であり、今後、イランにその状況を利用させないようにする必要がある」

 ジッダにあるキング・アブドゥルアズィーズ大学のWaheed Hashim教授(政治学)は、イランは、時間を稼ぎ、中東や世界に特定の状況を作るために、先延ばしにし、不正な手段を使うと話した。

同氏は超大国に対し、これらの事実を考慮し、イランが「ペルシャの爆弾」を作るのを防ぐよう求めた。

イランがGCC諸国の参加を拒否したのは、主にイランのGCC諸国、特にサウジアラビアに対する憎悪に根ざした理由からだと同氏は補足した。

2018年、当時のトランプ米大統領は核合意から劇的に離脱し、イランに壊滅的な打撃を与える経済制裁を課した。翌年イランは、合意した核活動の制限を破り始めると発表した。

イランが脅迫した内容を実行したため、核合意の他の参加国は近年、慌てて核合意を完全崩壊させまいとしている。

AFP、ロイターからの情報とともに)

 

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