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IRGC上級司令官2人の死をめぐる憶測が飛び交う

この2006年11月26日付けの写真では、テヘランでの式典で、モハマド・ホセインザデ・ヘジャジ将官(右)が、当時のアフマディネジャド・イラン大統領(左から3番目)に同行。 (AP 写真/ヴァヒド・サレミ、ファイルより)
この2006年11月26日付けの写真では、テヘランでの式典で、モハマド・ホセインザデ・ヘジャジ将官(右)が、当時のアフマディネジャド・イラン大統領(左から3番目)に同行。 (AP 写真/ヴァヒド・サレミ、ファイルより)
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23 Apr 2021 02:04:17 GMT9
23 Apr 2021 02:04:17 GMT9
  • 心臓発作とCOVID-19が死因とするイランの報道に疑問符
  • 「IRGCは現在大変混乱しているようで、士気に非常に大きな影響を与える」と専門家がアラブ・ニュースに語る。

クリストファー・ハミル・スチュワート

ロンドン:イスラム革命警備隊(IRGC)の上級司令官2人が数日の間に突然死亡し、イランのメディアによる不明瞭な報道が、彼らの死に関して、テヘランが認める以上に何かがあるのではないかとの疑惑を引き起こした。

モハマド・ホセインザデ・ヘジャジ准将(65歳)は、IRGCのクッズ部隊の副隊長だった。イランのメディアは先週末、彼は心臓発作で突然死したと報じた。

ヘジャジ准将は、IRGCの国内部隊Basijの隊長として2009年の反体制デモを激しく鎮圧し、また同グループのミサイル計画やイエメン、レバノンの代理戦争との関係に大きな影響力を行使したことで悪名が高かった。

彼は昨年、ガーセム・ソレイマーニー少将の殺害に続いて、イズマイル・カアニ氏がIRGCのリーダーに任命されたときに、クッズ部隊の現在の地位に昇進した。

ヘジャジ准将の死去直後、クッズ部隊のもう1人の将官のモハマド・アリ・ハッビン准将も死亡したと報告された。

国営メディアはCOVID-19が死亡の原因としたが、オンラインで出回る画像には、病院のベッドで呼吸器具を付けて横たわる彼が写っており、両脚は厳重に包帯されていた。

そのため、実際はシリアかイエメンのイランの代理戦争と共に戦って被った負傷によって死亡したのではないかとの噂が広がった。イランのメディアは後に画像を撤回し、負傷した足が隠されたものに置き換えた。

2人の将官が死は、イスラエルによる殺害と推測されるようになった。イスラエルは、イランとヘジャジが緊密に協力していたヒズボラとの関係を安全保障上の重要問題とみなしている。

中東、北アフリカ、トルコのアナリストで政治リスクコンサルタント会社Sibyllineのエロイズ・スコット氏は、アラブ・ニュースに、イランは2人のベテラン司令官の死に苦しむだけでなく、彼らの死はイメージを重視するIRGCにとって、ここしばらく続く恥ずべき失敗の中で、最新のものであると語った。

彼女は、ヘジャジ准将とハッビン准将は両者ともに「イラン国内ではもちろん、レバノンやシリアでもかなりの経験を積んできた」と述べ、こう続けた。

「IRGCは、軍事面での代理戦争やネットワークに多大な労力を費やしてきましたが、特に過去数年間は国内での認識についても非常に大きな不安を抱いています。」

4月初旬、ナタンツにあるイランの主要核施設で大きな爆破事件が起り、これは妨害行為であり、観測筋によると、テヘランの地域的大敵であるイスラエルが行った可能性が高いということであった。

「IRGCは現在大変混乱しているようです。ナタンツ事件に続いて……次々に様々なことが起こっています。士気にも非常に大きな影響を与えるでしょう」とスコット氏は語り、過去2年間に起こったこの準軍事組織の評判を傷つけた他の事件も、次のように指摘した。

2020年初頭のウクライナ旅客機の撃墜と、2019年11月の大規模な反体制デモ (スコット氏によると、その怒りは主にIRGCに向けられていた) によって、「特にパンデミックによる国の混乱を踏まえると、現在IRGCはイラン国内で非常に脆弱な立場に置かれています。」

現在イランはCOVID-19感染の最悪の波の最中にあり、毎日何百人もの死者を出して苦戦している。

スコット氏は「IRGCは失敗を繰り返しています」と述べた。「彼らは、レバノンのような非常に脆弱な国で目的に向かって前進しようとしていますが、国内では混乱する一方のようです。」

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