
イドリブ: COVID-19のワクチンキャンペーンは、土曜日にシリア最後の反政府勢力占領の包領で開始され、ウイルスとの戦いの最前線にいる45歳の看護師が、国連によって確保されたワクチンを初めて接種した。
イドリブ市のイブンシナ病院の看護師ニザー・ファトー氏は、4月21日、トルコを経由してシリア北西部に配送されたアストラゼネカ社製ワクチンのバイアル容器53,800個のうちの1つを割り当てられた。
戦争で荒廃したこの国で新たに感染が急増する最中、このワクチンは到着した。10年に及ぶ紛争や医療サービスの悪化により、 シリアの酸素供給は枯渇しており、病院の患者数はすでに収容許容数を大幅に超えている。
アストラゼネカ社製のワクチンは、同国北西部で唯一の外界への玄関口であるトルコとの国境の検問所を通して、反政府勢力の支配地に配送された。
イドリブの保健担当官ヤセル・ナジブは、ワクチンは国連主導のCOVAXプログラムを通じて世界の貧困国と開発途上国に提供されたものだと述べた。同氏によると、このキャンペーンは土曜日から21日間続き、この包領の2大病院で展開される。月曜日からは他の保健センターでも展開される予定だという。
同氏は、コロナウイルスとの戦いの最前線にいる医療従事者や援助要員がまず優先的に接種される、と述べた。 この包領での医療従事者の感染率は高く、ある時点では確認された症例の30%を占めていた。 反政府勢力が占領するこの包領では、21,000以上の感染症例が確認されている。ここには4,000,000人が居住し、そのほとんどが紛争によりシリア各地から避難して来た者たちである。この地域では、 COVID-19に関連する合併症により、少なくとも641人が死亡した。 紛争は沈静化したが、暴力の発生は依然として報告されている。
シリアは戦争によって分割されているため、同国領土の60%近くにあたる政府管轄地域でのワクチン接種は別に管理・実施されている。
シリア政府は、国連主導の同プログラムを通じて200,000個のバイアルを確保したが、中国、ロシア、アラブ首長国連邦からもバイアルを受け取った。
病院へのプレッシャーが高まっている政府管轄地域でも、限られた接種キャンペーンが開始された。
クルド人が支配する北東部では、感染が急増する中で、当局は部分的なロックダウンを延長すると発表した。国際援助団体がこの地域の酸素不足を警告する中、この1週間の延長が実施されることになった。
AP