
カイロ:2021年5月4日、エジプトの裁判所は、大型コンテナ船の所有企業による、金銭的紛争をめぐる裁判所命令による船舶の差し押さえの控訴を棄却した。
エジプト当局は、3月に約7日間、スエズ運河の航行を停止させ、数十億米ドルの損害を出した、大型コンテナ船エバーギブンを差し押さえた。
スエズ運河庁は、船舶を所有する日本企業、正栄汽船株式会社と賠償額が合意するまで、本船の出国は許可されないと述べた。
4月中旬、イスマイリアの裁判所は、船体の差し押さえを命じた。エバーギブンを所有する企業は、船舶の差し押さえを不服として、4月22日に控訴した。
5月4日、イスマイリア経済裁判所は、差し押さえの決定を支持した。船舶を所有する企業からのコメントはなかった。
エバーギブンの船主責任保険を引き受けている事業者「UK P&Iクラブ」によると、スエズ運河庁は9億1600万米ドルの損害賠償を請求した。賠償額は、座礁で生じた損失額と離礁作業の費用などをもとに算出された。
先週、正栄汽船株式会社は、スエズ運河庁と船主との間で賠償請求を解決するための協議が続いていると述べた。同社は、船内の約18,000個のコンテナの所有者に、損害賠償請求の一部を引き受けるよう通知したと述べた。保険の対象となる金額や、コンテナの所有者に求めている負担額など、交渉の詳細は明らかにしなかった。
3月23日、オランダのロッテルダムに向かう途中のエバーギブンは、スエズ運河の南入口から北へ約6km(3.7 マイル)の地点にある片側1車線の堤防に衝突した。
AP