
エルサレム:議論を呼んでいる土地の権利に関する裁判をめぐり緊張が高まる中、併合された東エルサレムで夜通し続いたイスラエル警察との衝突によりパレスチナ人22人が負傷したと赤新月社は木曜に発表した。
警察はエルサレムの旧城壁市街近くのシェイク・ジャラ地区を揺るがした直近の衝突で11人の逮捕を確認した。同地区では土地の紛争をめぐりパレスチナ人とユダヤ人入植者の間で何年にもわたり対立が続いている。
水曜夜遅くに始まったパレスチナ人による反対運動は、明け方まで続いた。
この裁判はユダヤ人が権利を主張する土地に立つパレスチナ人4家族の住宅が対象となっている。
エルサレムの地方裁判所は今年に入り、数十年前の土地購入に言及してこれらの住宅が法的にはユダヤ人家族の所有物であるという判決を下した。
ユダヤ人原告は、1948年のイスラエル建国が導かれた戦争の間に家族が土地を失ったと主張した。この戦争では何十万人のパレスチナ人も住居を追われた。
裁判に巻き込まれたパレスチナ人家族は、住宅は1948~1967年に東エルサレムを支配していたヨルダン当局から取得したものであることを示す証拠を提出した。
アンマンもこの裁判に介入し、パレスチナ人側の主張を支える資料を用意した。
イスラエルは1967年に東エルサレムを占拠し後に併合したが、この動きは国際社会の大半から認められていない。
地方裁判所による判決は、これを東エルサレムからアラブ人を追い出すためのユダヤ人入植促進のさらなるステップとみなすシェイク・ジャラ地区のパレスチナ人らの怒りに火をつけた。
数週間続いた衝突で警察は悪臭を放つスカンク放水銃を使い、騎馬警官を配備し、数名が逮捕される結果となった。
イスラエル最高裁判所は両者に妥協案を見出すよう命じた。
パレスチナ人側の弁護士サミ・イルシドは、ナハラトシモン入植者運動組織がパレスチナ人家族の各当事者から1名ずつを「被保護占有者」として認識することを提案した。
これによれば、被保護占有者が死亡するまでの間立ち退きが一時的に先延ばしとなり、死亡時に住宅がナハラトシモンの所有に戻されることになるとイルシドは語る。
「断固拒否します」と、パレスチナ人住人の一人、モナ・アル=クルドは言う。
「入植者は私たちに彼らの不動産所有権を認めさせたいのです。そんなことは不可能です」
ナハラトシモンの運動家、イェホナタン・ヨセフは、パレスチナ人家族側が「いかなる妥協」も拒絶しているとして非難する。
「これは先方の問題です」とヨセフは言い、最高裁判所が入植者勝訴の判決を下せば、ユダヤ人家族側は各区画について好きにするだろうと付け加えた。
最高裁判所は、両者が妥協点に到達できない場合、パレスチナ人側が地方裁判所の判決に対して控訴できるかどうかに基づいて判決を下す旨を表明した。
控訴の過程は何年もかかるおそれがある。
自ら姿を見せることのないパレスチナのイスラム原理主義組織ハマスの軍事部門リーダー、モハメド・デイフは火曜に公的な警告を発表し、イスラエルはシェイク・ジャラの紛争により「高い代償」を払うことになるだろうと述べた。
パレスチナ人は東エルサレムがパレスチナの未来の首都であると主張する一方、イスラエルは市全体をイスラエルの「分割されることのない首都」とみなしている。
パレスチナのリヤド・アル=マリキ外相は国際刑事裁判所に書簡を送り、「イスラエルがシェイク・ジャラ地区のパレスチナ人民に対して起こした犯罪について、明確な公的立場を示す」よう促した。
AFP