
エルサレム:1 日、ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区からロケット弾が発射されイスラエル中部沖の地中海に着水した、とイスラエル軍が発表した。
ロケット弾発射にイスラエルを攻撃する意図があったか否か現時点では不明だが、ガザ地区を拠点とする各軍事組織が海に向けてミサイルを試射することはよくある。負傷者の報告はなかった。
11日間に及ぶイスラエル対ハマスの武力衝突を経て昨年5月に停戦が成立して以降、ガザ地区からロケット弾が発射されたのは9月に続き2度目となる。
イスラエル軍は声明を出し、ロケット弾はテルアビブ大都市圏の沖合に着弾したと発表した。
さらに「規定通り、サイレンは鳴らさず迎撃もしなかった」と発表にある。
ガザ地区の目撃者によると、午前7時頃にミサイルの発射音で目が覚めたという。さらにSNS上では発射地点付近で撮影された白煙の写った写真が拡散した。
エジプトなどの仲介で成立した停戦は、不安定な状態が続いている。ハマスによると、2007年にハマスがガザ地区を掌握した時点からイスラエルがエジプトの協力を得て開始した封鎖措置を、段階的に緩和する努力をイスラエル側は怠っているという。
130日以上ハンガーストライキを続けるパレスチナ人囚人の行政拘禁をイスラエルが終わらせなければ、比較的小規模だがより強硬なイスラム聖戦など他の組織が軍事衝突をエスカレートさせると脅していることも加わり、軍事的緊張が高まっている。
12月29日には、ガザのパレスチナ過激派が分離壁(イスラエル政府の呼称は「セキュリティ・フェンス」)付近でイスラエルの民間人を銃撃し軽傷を負わせると、イスラエル軍は戦車で複数のハマスの拠点を砲撃して対抗し数カ月ぶりに交戦が発生した。
AP