• 英国の高等法院は、バンク・アウディとSGBL（ソシエテジェネラルのレバノン子会社である「ソシエテジェネラルデバンクオーリバン」）に対し、それぞれ約110万ドルと290万ドルを3月4日までに請求者であるヴァチェ・マヌーキアン氏に支払うよう命じた。
• バンク・アウディ関係者はロイターに対し、「バンク・アウディは英国の裁判所の判決に従う」と述べた。

ベイルート：ロンドンの裁判所はレバノンの2銀行に対し、2019年の金融メルトダウン後の非公式な資本規制のせいで、機能不全となったレバノンの銀行から預金者が引き出せずにいた400万ドルを支払うよう命じた。このような判決が出たのは英国初だ。

ロイターが確認した判決文のコピーによると、高等法院の一部門であるクイーンズベンチはバンク・アウディとSGBLに対し、それぞれ約110万ドルと290万ドル相当を3月4日までに請求者であるヴァチェ・マヌーキアン氏に支払うよう命じた。

バンク・アウディ関係者はロイターに対し、「バンク・アウディは英国の裁判所の判決に従う」と述べた。

SGBLにもコメントを求めていたが、すぐの返答はなかった。

レバノンの金融システムは、持続不能な金融政策、汚職、浪費が長年続いた後の2019年に崩壊した。銀行はドル建て預金の引き出しを事実上禁止。さらに現地通貨の引き出しも制限するなど、口座を厳しく管理した。

このような管理は法律で正式決定されたものではなく、国内外の法廷で争われた際の判決もばらばらだ。

英国の裁判所は12月、預金者が起こした訴訟で、「レバノンの銀行は、預金額分の小切手を発行することで原告に対する債務を果たしたとみなす」という判決を下した。

レバノンの銀行の多くは、ドル建て資金を銀行小切手で返済する方法をとっている。しかし、銀行小切手はドルに換金できず、市場で額面の約4分の1で売られている。

フランスの裁判所は1週間前、フランス在住の預金者が口座残高を小切手で発行した銀行に対して起こした訴訟で、「請求者が反対したにも関わらず銀行は一方的な行動をとった。これは、銀行が責務を果たしていないことを意味する」という判決を下し、預金者の訴えを認めた。

ロイター