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エルドアン大統領はシリアへの地上侵攻を宣言、クルド人は応戦を準備

シリア北東部ハサカ県のタルアウダ付近の炭化水素施設で発生した大規模火災。トルコ軍の空爆によるものとされている。(AFP)
シリア北東部ハサカ県のタルアウダ付近の炭化水素施設で発生した大規模火災。トルコ軍の空爆によるものとされている。(AFP)
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25 Nov 2022 06:11:30 GMT9
25 Nov 2022 06:11:30 GMT9
  • トルコの同盟国、特にロシアは地上侵攻を回避したい意向
  • 2016年以降トルコはシリアへの侵攻を繰り返しており、すでにシリア北部の一部を支配している

シリア、カーミシュリー: トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は水曜日、クルド人武装勢力を標的にシリア北部の陸上侵攻を指示することを宣言した。国境紛争は数年に及んでおり、トルコ軍は何度も侵攻している。

トルコはここ数日、シリアとイラクの北部に点在する武装勢力と思われる目標への空爆を開始した。11月13日にイスタンブールで死傷者が出る爆破事件が発生しているが、トルコ政府はこれをクルド人武装勢力による犯行だとしており、この空爆はそれに対する報復というわけだ。クルド人武装勢力は爆破弾事件への関与を否定、トルコの空爆は民間人を殺害し、ダーイシュ勢力との闘いを脅かしていると話している。

トルコの同盟国、特にロシアは地上侵攻を回避したい意向だが、エルドアン大統領は水曜日にアンカラでの与党議員に対する演説で、空爆作戦は「始まりにすぎない」と述べ、トルコは「南部の国境をすべて閉鎖し・・・我が国への攻撃の可能性を防ぐ安全地帯を設ける」決意だと語った。

2016年以降トルコはシリアへの侵攻を繰り返しており、すでにシリア北部の一部を支配している。新たな軍事作戦はテルリファート、マンビジュ、コバニが地盤とする地域を狙い、「我々にとって最良のタイミングで」実行するとエルドアン大統領は述べた。作戦目標の地域はアラビア語でアイン・アル・アラブとも呼ばれている。

「テロリストが安全確保のために使用しているコンクリートのトンネルが彼らの墓になる日は近い」と大統領は述べた。

一方、シリア北東部のクルド人主体の「シリア民主軍」の総司令官は、同軍はトルコの地上侵攻を撃退する準備ができていると述べた。

シリア民主軍(SDF)のマズルム・アブディ総司令官はAP通信に対し、トルコが2019年に同地域で地上攻撃を開始して以来、SDFは再びそうした攻撃への対応を準備してきており、「我々は新たな攻撃を阻止できるレベルに達したと確信しています。少なくともトルコ人はこれ以上我々の土地を占領することはできないだろうし、大規模な戦闘になると思います」と話した。

さらに「もしトルコ人がどこかの地域を攻撃すれば、戦争は全地域に広がり……それによって誰もが傷つくことになってしまうでしょう」と続けた。

週末の空爆の後、トルコ当局によるとクルド人武装勢力とみられる者が月曜日、トルコに向けてシリア国境を越えるロケット弾を発射し、少なくとも2名が死亡、10名が負傷した。アブディ総司令官はSDFによるトルコ領内への攻撃実施を否定した。

ロシア大統領府のアレクサンドル・ラブレンチエフ・シリア特使はシリアでの事態の悪化を防ぐためにトルコは「一定の自制心を示すべきだ」と述べ、「シリア領内での過剰な武力行使を控えるようにとの説得に我がパートナー国のトルコが応じること」を望んでいると表明をした。

マズルム総司令官はモスクワとダマスカス、米国主導の連合軍に対しトルコの地上侵攻はダーイシュの復活に対抗する試みに害を及ぼすと警告し、トルコのそうした行動を防ぐためにより強い姿勢を取るよう求めている。米国主導の連合軍はシリアでダーイシュ勢力と闘っており、アイン・アル・アラブではクルド人兵士と同盟を結んでいる。


「トルコの攻撃で手一杯になってしまっており、連合軍との対ダーイシュ作戦は停止状態だと言えます」と総司令官は述べた。「当地におけるロシアとの連携や活動もトルコによる攻撃の影響を受けてしまっています」

水曜日遅く、トルコの空爆はハサケ州のアルホル難民キャンプ付近にも及んだ。このキャンプにはダーイシュ勢力の戦闘員の妻、未亡人、子供たち数万人が収容されている。SDFやキャンプ当局者によると、この空爆は犯罪が多発するキャンプを安全に保つための治安部隊を狙ったものと見られる。

シリア北東部の難民キャンプを監督するクルド人の行政官シェイクマス・アフマド氏によると、抑留者の中には逃げようとした人もいたという。

「今はまだアルホル・キャンプは治安部隊の管理下にありますが、こうした攻撃が続き抑留者が地域に散らばってしまえば、そうもいかなくなるでしょう」とアフマド氏はAP通信に話す。「これは我々のみならず国際的安全保障をも脅かすことになります」

米中央軍報道官は火曜日にトルコが行った攻撃の一つが米軍兵士の300メートル以内に着弾したと述べ、「こうした攻撃は米軍を危険にさらしています」と続けた。同報道官は攻撃された場所がどこかについては言及を避けた。

トルコの空爆はSDFと同じ地域で活動するシリア軍兵士を多数殺害しており、シリアとトルコの間に生まれつつある融和ムードを揺るがす恐れも出てきた。両者はシリア内戦に関して対立してきたが、ここ数カ月は事務レベル協議を開始していた。

ワシントン近東政策研究所のトルコ研究プログラムディレクターであるソナー・カガプタイ氏は、いま発生している一連できごとは「おそらくトルコのシリアへの侵攻という結末を迎えるでしょう」が、おそらく今すぐということではないと話す。

「トルコ政府はシリアへの侵攻に必要な2大国と調整しようとしていると思います。一つは米国で、もう一つはロシアです」とカガプタイ氏は話す。米国とその同盟国はフィンランドとスウェーデンのNATO加盟にトルコの賛同を必要としており、ロシアはシリアでの「戦争を終わらせる」ことのできるトルコとシリアの間の合意を求めていると指摘する。

AP

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