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トルコ、スウェーデンのNATO加盟を批准する「立場にない」

トルコ大統領府のイブラヒム・カリン報道官。(AFPファイル写真)
トルコ大統領府のイブラヒム・カリン報道官。(AFPファイル写真)
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15 Jan 2023 03:01:36 GMT9
15 Jan 2023 03:01:36 GMT9
  • 「彼らは6月までに新しい法律が成立し完全に施行されることを望んでいるが、彼らにはその前にいくつかできることがあるのではないか」

イスタンブール:トルコは14日、スウェーデンがトルコの要求に応えるために一連の措置を講じたにもかかわらず、同国のNATO加盟を批准する「立場にない」と述べた。


レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の外交政策顧問であるイブラヒム・カリン氏は、「我々は議会に(批准のための)法案を送る立場にない」と述べた。

また、スウェーデンとフィンランドが6月までにNATOに加盟できる可能性は低いとの見方を示した。

スウェーデンとフィンランドはロシアによるウクライナ侵攻を受けてNATOへの加盟を申請したが、加盟には全30加盟国の承認が必要だ。

トルコとハンガリーだけがまだ加盟を承認していない。トルコは加盟を承認する条件としてテロ対策の強化を求めている。

カリン氏は、「両国がいかに迅速に動くか、またいかに広く深くこれらの問題に取り組むかにかかっている」と述べた。

「彼らは6月までに新しい法律が成立し完全に施行されることを望んでいるが、彼らにはその前にいくつかできることがあるのではないか」

トルコはスウェーデンとフィンランドに対し、クルディスタン労働者党(PKK)や2016年のクーデター未遂に関与したとされる組織の支持者の活動を統制する法律をより厳格なものにするよう要求している。



カリン氏はイスタンブールで、「原則として、我々は彼ら(スウェーデンとフィンランド)のNATO加盟を望んでいる」と述べた。


「彼らはもう少し時間が必要だと言っている。我々は彼らに対し、『これこれの条件を満たしてもらう必要がある』と伝えた。つまり、彼らはPKKに対して真剣なメッセージを送る必要があるということだ」

昨年6月のNATO首脳会議において三国間で結ばれた合意に沿って反テロ法を改正することに対するスウェーデンとフィンランドのコミットメントをトルコは認めていると、カリン氏は付け加えた。

「スウェーデンは昨年マドリードで結ばれた合意の実行に全面的に取り組んでいるが、司法制度がテロの新定義を導入できるような新しい法律を作るのにさらに6ヶ月は必要だろう」

トルコの大統領・議会選挙のタイムテーブルも関係してくる可能性があると、カリン氏は述べた。

トルコの選挙は現時点では6月18日に実施される予定だが、宗教関係の休日のタイミングによって1ヶ月前倒しになる可能性もある。NATO加盟議定書は議会によって批准される必要があるが、その議会は選挙前に休会となる可能性が高い。

トルコ、スウェーデン、フィンランドの政府関係者が2月にブリュッセルで会合を開く予定だが、11日にストックホルムでエルドアン大統領の人形が逆さづりにされた事件のようなことが起これば交渉に悪影響を与えかねないと、カリン氏は警告した。

「我々はこのプロセスを信じており進展させたいと思っているが、このような事件が続くようであれば彼らにとって良いことではないし、プロセスにもきっと影響するだろう。進展が遅れるということだ」

カリン氏はウクライナ戦争や、トルコとシリアの和解にも言及した。

同氏は、欧米の対ロシア制裁に加わらないというトルコの決定を擁護し、仲介者としての役割の成功例として穀物輸出合意や捕虜交換に言及した。

そのような「局所的なエスカレーション抑止の瞬間」が戦争終結に貢献するとした。

「(制裁の)目標がロシアの行動を変え戦争を終わらせることなのだとしたら、それは実現していないと考える」

また、トルコとシリアの国交正常化に向けた交渉に言及する中で、12月末に行われた両国の国防相による最初の会談からの発展として2月に外相会談が行われる可能性を示唆した。

「これらの会談がどのように進むか、どのような成果が得られるかを見たうえで、大統領レベルでの会談の可能性について協議したい」

11年前にシリア内戦が始まって以来、エルドアン大統領は同国のバッシャール・アサド大統領を激しく批判し、アサド体制打倒のために戦う反体制組織を支援してきた。

しかし、経済危機のさなかにある国内ではシリア難民の帰還を求める強い圧力に晒されている。

AP/AFP

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