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シリア政権、ドゥーマへの化学兵器攻撃で有罪と武器監視団が判定

ドゥーマのシリア市民防衛隊が公開した動画からのスクリーンショット。2018年4月8日、反政府勢力が支配した町への化学兵器攻撃が報告された後、未確認のボランティアが病院で子どもの顔に酸素マスクをかぶせる様子。(AFP/資料写真)
ドゥーマのシリア市民防衛隊が公開した動画からのスクリーンショット。2018年4月8日、反政府勢力が支配した町への化学兵器攻撃が報告された後、未確認のボランティアが病院で子どもの顔に酸素マスクをかぶせる様子。(AFP/資料写真)
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28 Jan 2023 08:01:18 GMT9
28 Jan 2023 08:01:18 GMT9
  • 化学兵器禁止機関は、50人が死亡した2018年の攻撃について、行動を起こすのは国際社会次第であると述べた
  • 国連のステファン・デュジャリック報道官はシリア政府に対し、国連安全保障理事会決議2118を完全に遵守し、化学兵器の備蓄を廃棄するよう改めて要請した

エファレム・コッセイフィ

ニューヨーク:化学兵器禁止機関(OPCW)は27日、約5年前にドゥーマへの化学兵器攻撃を行ったのはシリアのアラブ空軍であると考えられる「合理的な根拠」があると発表した。

シリアでのそうした攻撃について犯人特定の役割を担う、OPCWの調査および特定担当チーム(IIT)は、2018年4月7日夜、シリアの精鋭部隊「タイガーフォース」に所属する少なくとも1機のヘリコプターが、有毒塩素ガスの入った黄色いシリンダー2本を市内の住宅2棟に投下したと結論づけた。

OPCWのフェルナンド・アリアス事務局長は、「世界は今、事実を知りました。OPCWとそれ以外の国際社会も、行動を迫られているのです」と述べた。

ドゥーマへ攻撃により、民間人43人の死亡 が確認されている。一部では、実際の死亡者数は50人だったという意見もある。少なくとも負傷者は100人に上った。

IITは、「合理的な根拠」に基づいて結論に達したと述べている。同チームが取り入れたのは、国際的な事実調査機関や調査委員会が一貫して採用している証拠基準である。

同チームの3番目のIIT報告書は、調査官、アナリスト、外部の独立した専門家数名が、環境および生体医学のサンプル、目撃者の証言、そして法医学分析や衛星画像などの他の検証済みデータを含む攻撃の物的証拠を精査したと述べた。

OPCWは次のように発表した。「IITは、可能性のあったさまざまなシナリオを検討しました。そしてチームで収集し、分析した証拠に対して妥当性を検査し、シリアのアラブ空軍がこの攻撃の加害者であるという結論に達しました」

国連のステファン・デュジャリック報道官はアラブニュースに対し、「21世紀になってこんな発言を繰り返さなければならないのは悲しいことですが、化学兵器の使用はどこであっても、誰によるものでも、どのような状況においても容認できません」と述べた。

 

「化学兵器の使用に対する不処罰も容認できません。化学兵器を使用した者を特定し、責任を取らせることが不可欠です」

デュジャリック報道官は、前月の国連調査によってダマスカス郊外での民間人への化学兵器の使用が確認された後、2013年9月に満場一致で採択された国連安全保障理事会決議2118の完全履行を改めて求めた。神経ガスを吸い込んで窒息死した犠牲者の画像には子供たちも含まれており、世界中で激しい怒りを呼んだ。

決議は、シリア政権に対して2014年半ばまでに化学兵器の備蓄を廃棄するよう求め、不履行の場合の懲罰的措置を設定するものだった。また、シリア当局が化学兵器を使用、開発、生産、取得、備蓄、保有すること、他の国家もしくは非国家主体にそれらを譲渡することも禁止した。

2013年10月、シリア政権は、備蓄の廃棄計画を含む化学兵器プログラムの正式な初期宣言書をOPCWへ提出した。

それから約10年が経ち、国連の中満泉軍縮担当上級代表は、シリア政権の宣言は正確とも完全とも考えられないと主張し続けている。中満氏は、政権による化学兵器の廃棄が真実可能な範囲に対して、疑問を投げかけ続ける「溝、矛盾、不一致」を確認していると述べた。

デュジャリック報道官は、シリア政府に対し、OPCWに全面的に協力するよう求めた。OPCWは、この問題についてダマスカスで協議する試みが妨害されていると数ヵ月前から不満を表明している。OPCW宣言評価チームのメンバー1人に対して、シリア当局は入国ビザの発給を「拒否し続けている」のである。シリア政府は、同チームが先入観を持っており、プロ意識に欠けると非難している。

デュジャリック報道官は、「OPCW業務の誠実さ、プロ意識、公平性、客観性、独立性」に対する国連の全面的な支持を繰り返し表明した。

IITは事実調査機関であり、検察機関や司法機関ではない。また、将来の行動に関する勧告を行うことはなく、それはOPCWの政策決定機関が担当する機能である。

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