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ハワラ放火の容疑者釈放、パレスチナはイスラエル政府も共犯だとして非難

ヨルダン川西岸地区の都市ナブルス近くのハワラで、入植者による破壊活動の跡を調べる「人権のための医師団」(PHR)イスラエル支部の代表団。2023年3月1日(AP)
ヨルダン川西岸地区の都市ナブルス近くのハワラで、入植者による破壊活動の跡を調べる「人権のための医師団」(PHR)イスラエル支部の代表団。2023年3月1日(AP)
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04 Mar 2023 04:03:57 GMT9
04 Mar 2023 04:03:57 GMT9
  • 警察は逮捕された入植者と2月26日の事件を結びつける証拠は見つからなかったとしているが、事件の一部はカメラに録画されている
  • バスに乗ったイスラエルの平和活動家の一団がハワラで連帯を示す集会を行おうとしたところ、イスラエル軍の部隊がスタングレネード、催涙ガスを用いてこれを阻止したと伝えられている

モハメド・ナジブ

ラマッラー:3月3日、イスラエル警察は2月26日に占領下にあるヨルダン川西岸地区の町ハワラで家屋と車が燃やされた事件に関連して逮捕した入植者全員を釈放した。

イェディオト・アハロノト紙の傘下にあるニュースサイトYnetは法執行機関職員の話として、逮捕された入植者と事件を結びつける証拠は見つからなかったと報じた。事件の様子の一部は動画に収められている。車両100台、家屋35軒が破壊され、40軒以上が部分的に焼失した。

また、イスラエルの情報筋によると、2人の入植者が防衛省の命令に基づいて行政拘禁下にあるが、いつ釈放されてもおかしくないという。

ハマスのハゼム・カセム報道官は、入植者の釈放は「イスラエル司法当局が犯罪の隠ぺいの共犯である」ことの証拠だと述べた。

同じく3日、バスに乗ったイスラエルの平和活動家の一団がハワラで連帯を示す集会を行おうとしたところ、イスラエル軍の部隊がスタングレネード、催涙ガスを用いてこれを阻止したと集会の参加者が明らかにした。兵士たちはデモ参加者を地面に押し付け、膝で首や背中を抑えつけたという。

平和団体「スタンディング・トゥギャザー」に所属するサリー・アベド氏によると、兵士たちによって地面に押さえつけられ、蹴られ、手錠をかけられた後、少なくとも2人が短期間拘束された。またこれとは別に、兵士の一団がアブラハム・バーグ元イスラエル議会議長を乱暴に突きのけ、転倒させたという。

イスラエル軍によると、事件当時ハワラを封鎖軍事地域に指定していたため、イスラエルとパレスチナの活動家が軍令に違反した際、治安部隊は群衆を追い散らして秩序を保つために催涙ガスその他の方策を用いた。

42歳の商店主、カイエド・オデーフ氏はアラブニュースに、2月26日以来イスラエル軍が町を包囲しているため、ハワラにある約1,500の店は数十万ドル相当の被害をこうむっていると話した。

「ハワラでは、人々の生活は麻痺状態です。誰も仕事に行かず、学生は学校に行きません。まるでウクライナの戦場のような状況です」と彼は語った。

「政府が政府機関を刑務所送りにするなど、誰が期待したでしょう」とも氏は話し、入植者たち自身が法律のようなものなのだと説明した。「ハワラの大通り沿いにはたくさんの監視カメラが設置されています。入植者が町の住民に対するテロ行為に関与した証拠はあるはずなのです」

オデーフ氏は、攻撃から町が立ち直って平常に戻るまで、少なくとも4か月はかかるだろうとも話した。

パレスチナ人および人権活動家たちは、放火の容疑者が釈放されたことを非難している。

人権団体「アル・ハック」のシャワン・ジャバリン理事長はアラブニュースに以下のように語った。「共犯者が犯罪者の責任を問うわけがありません。イスラエルの警察、軍隊、情報機関はすべて、それが起きるのを防ごうとしなかった、あるいはイスラエル人入植者によるテロ活動には寛大な措置を取ることで、この犯罪に加担しています」

ジャバリン氏は、イスラエルの右翼過激派は勢力を拡大しており、大規模なパレスチナ人の殺戮を生む可能性があると警告した。

「入植者を釈放した者たちは、イスラエル右派の目から見れば英雄であり、見返りさえ手に入れるかもしれません。我々人権団体は、今後事態はさらに悪化し、危険度を増すと警鐘を鳴らしています」と氏は続けた。

パレスチナ自治政府のイブラヒム・メルヘム報道官はアラブニュースに対し、次のように述べた。「自分自身を逮捕する犯罪者の話など聞いたことがないでしょう。イスラエル軍と警察はこの犯罪の共犯者なのであり、今回の動きに驚きは感じません」

イスラエルのベザレル・スモトリッチ財務相が最近の声明の中で、政府に対してハワラの町を一掃せよと求めたことに関して、メルヘム氏は、入植者たちはこの発言をハワラを攻撃しても罰を受けることはないという「ゴーサイン」と受け取っただろうと指摘した。

アメリカ国務省のネッド・プライス報道官は、スモトリッチ氏の発言は「無責任なものだ。忌まわしく、非常に不愉快だ」と述べた上で「我々はパレスチナが暴力を煽ることを非難するのと同様に、同じく暴力の扇動にあたるこれらの挑発的発言を非難する」と続けた。

EUの駐パレスチナ代表であるスヴェン・クーン・フォン・ブルグスドルフ氏率いる代表団は3日ハワラを訪れ、EUは「入植者による町への攻撃を行った者たちを裁判にかけて責任を問うことを直接に要求し続ける」と述べた。氏は「入植者による暴力」を「終わらせなければならない」とも述べた。

EU代表団のハワラ訪問中、過激主義を奉じるイスラエルのツヴィ・スコット議員も町に到着し、拡声器を使って彼らの会話を妨害しようとした。

ブルグスドルフ氏は次のように述べた。「我々は現地で起きていることを阻止しようと、関係各所と連絡を保ってきましたが、残念ながら、介入は遅きに失したようです」。ブルグスドルフ氏は、自身のチームはパレスチナの人々に対する類似の攻撃を防ぐ努力を今後も続けると表明した。

氏はさらに、放火の犠牲者に対する賠償を求めるとともに、代表団の訪問は「国際社会からハワラおよび近隣の村に暮らす人々への連帯のメッセージ」だと述べた。

イスラエルの人権団体、「B’Tselem」のハガイ・エラド理事長は、イスラエル政府は占領下に置くパレスチナ領における入植者による攻撃を、免責を与えることで後押ししているのだと指摘した。

ハワラのムイン・ドゥマイディ市長は、攻撃が住民に心理的打撃を与えていると語り、ハワラと近隣の村々への保護策を期待すると表明した。

一方、町の住民はさらなる入植者からの攻撃に備え、人々が警戒態勢を取れるよう早期警報システムを導入し、笛を配布した。これは、イスラエルの人々がハマスのロケット攻撃に関して警報を出すために使っているシステムに近い。

2日夕刻、数十名の入植者が近づき、町外れにある家々を攻撃しようとしたことから早期警報のサイレンが初めて使用された。地元の商店主オデーフ氏によると、警報装置は6つのモスクの拡声器に取り付けられている。

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