


カイロ:両国の関係強化やヨルダンとの地域同盟の強化を目指し、エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領は5日にカイロでイラクの首相と会談を行った。
イラクのムハンマド・シア・アル・スダニ首相はエジプトの首都に降り立ち、空港でモスタファ・マドゥーリー首相の出迎えを受けた。アル・スダニ氏とマドゥーリー氏は儀仗隊の査閲を行い、楽隊が両国の国歌を演奏した。
イラクの首相はその後、大統領府でエルシーシ大統領と会談を行った。エジプト大統領報道官のアーメド・ファーミー氏によると、会談では両国の経済協力と安全保障関係に焦点が当てられたという。
ファーミー氏は声明で、両首脳はヨルダンとの協力関係を含む地域の問題についても議論したと述べた。声明は詳細を明らかにしていない。両国の外務・貿易担当大臣が会談に出席したと、ファーミー氏は述べている。
今回の訪問は、10月にイラク議会でアル・スダニ氏の内閣が承認され、1年にわたる政治的行き詰まりに終止符が打たれて以来、同氏にとって初のカイロ訪問となった。アル・スダニ氏の前任者であるムスタファ・アル・カディミ前イラク首相は、エルシーシ大統領やヨルダンのアブドッラー2世国王と密接な関係を築いていた。
エルシーシ氏は2021年6月にバグダッドを訪問し ており、サダム・フセインがクウェートに侵攻した後に両国間の関係が途絶えた1990年代以降、イラクを訪問した初のエジプトの国家元首となっている。
エジプト、イラク、ヨルダンは、2019年以降5回の首脳会談を行うなど関係を強化しており、直近では12月にヨルダンの死海で、戦略的プロジェクトの実施について協議を行った。その中には、ヨルダンを経由してイラクとエジプトを結ぶガスパイプラインや、イラクとヨルダンの国境における工業都市の建設も含まれていると、エジプトの国営日刊紙『アルアハラム』は5日に報じた。
また、アル・カディミ氏は、最も頑強な敵さえも交渉のテーブルに着かせることのできる調停者として中東における自国の地位を強化しようとしてきた。
AP