• シア・スダニ首相は、10月の政権発足後初めて、トルコのエルドアン大統領とトルコで会談予定

バグダッド：政府筋によると、イラクのムハンマド・シア・スダニ首相は21日にトルコを訪問し、不足する水資源や反政府武装組織のクルディスタン労働者党 (PKK)について協議する予定だ。

スダニ首相は10月の政権発足後初めて、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領とトルコで会談する予定であることをイラク政府首脳の顧問が匿名で語った。

また、数十年にわたりトルコ軍と戦ってきた反政府勢力に言及し、 「2つの主な話題は水とイラク北部におけるPKKの存在です」 と付け加えた。

トルコを中心としたダム建設ラッシュにより、この地域の2大河川であるチグリス川とユーフラテス川から水が吸い上げられる中、戦争で荒廃したイラクは現在水を求め、さらに深くまで掘り進めている。

チグリス川とユーフラテス川はともに水源がトルコにあり、イラク政府はトルコがダムで水を貯め込み、川をせき止めてイラクへの流量を大幅に減らしていると長年非難してきた。

昨年のイラクの公式統計によると、イラクに流入するチグリスの水位は、過去100年間の平均値のわずか35％にまで低下しているという。

河川流量の減少は、近年の深刻な降雨不足に加え、イラクにおける灌漑の不備により、河川からの水が過剰に利用され、さらに悪化している。

そんな中、昨年7月にトルコの駐イラク大使であるアリ・リザ・ガニー氏が「イラクでは水が大きく浪費されている」と発言し、「利用できる水をもっと効率的に使うべきだ」と呼びかけ、波紋を広げている。

また、スダニ首相はトルコが空と地上での作戦で繰り返し根絶を目指してきたイラク北部にあるトルコの反政府武装組織PKKのクルド人戦闘員の後方基地の存在について、エルドアン大統領と協議する予定である。

PKKは1984年以来、トルコ南東部でクルド人の自治を求め、死者を伴う暴動を続けている。

トルコはイラク北部に数十の軍事施設を持ち、トルコと西側同盟国が「テロリスト」集団としてブラックリストに載せているPKKとの戦いに利用している。

2022年7月、イラクは、イラク・クルディスタンの公園への砲撃で、女性や子どもを含む民間人9人を死亡させたとしてトルコを非難した。

トルコ政府は軍の責任を否定し、PKKを非難した。

AFP