
アル・ムッカラー:イランを後ろ盾とするフーシ派がイエメン北部のサアダ県に埋設した、積み重なった地雷の処理作業中に、2人のイエメン人作業員が死亡した。
地雷の犠牲者を追跡しているグループ「Yemeni Landmine Records」によると、作業員は政府が掌握しているAl-Bouqa地区でチームとして活動していた。重なり合った2個の対戦車地雷を処理しようとしたところ、爆発したという。
グループは、フーシ派が地雷を1方向に集め、従来の手段で検知できない装置を埋設し、動作感知装置を備えた爆発物を埋めることで、作業員を意図的に殺害しようとしたと主張している。
イエメン当局および、サウジが支援している地雷除去プロジェクト「Masam」では、フーシ派が過去10年間に国内で100万個以上の地雷や簡易爆発物(IED)を埋設したと推定している。そのため、イエメンは第二次世界大戦以降で最も地雷が埋められた地域となっている。
Yemeni Landmine Recordsによると、今月はタイズおよびフダイダで少なくとも8人の民間人が地雷の犠牲となった。
ハムザ・アーメドさん(14歳)は、自宅に近いタイズのAl-Jahmelia地区で飲料の缶に見せかけたIEDをいじっていた際に死亡した。
別の事例では、13歳のアラファト・アブドゥ・ガレブムさんがタイズの田園地帯でヒツジの世話をしていた際に迫撃砲に触ったところ、爆発して死亡した。
Yemeni Landmine Recordsの広報担当者は「子供の命を救うため、子供を教育し、疑わしい物に触らないように諭すように親御さんに促しています」と話す。
Masamプロジェクトの最高責任者であるオウサマ・アル・ゴサイビ氏は、この問題に関して、国際社会や国連のグループがフーシ派に十分対処していないと非難している。
同氏はYemen Shabab TVで、2018年以降に地雷の爆発で33人のMasam作業員が死亡し、52人が負傷していると話した。また、過去5年間で4748万5089平方kmのイエメン国土において40万5818個の地雷や不発弾、IEDを処理したと述べた。
そして、「残念ながら、フーシ派が犯した人道に対する罪について、国際社会には不名誉で無責任な沈黙があります。フーシ派は無差別に地雷を使いながら、民間人の人権を侵害しています」と語った。
昨年4月に国連仲介の停戦が発効してからイエメンでの戦闘は大幅に減っているが、フーシ派はより高性能な地雷を埋め続けている。敷設場所には、サウジのプロジェクトで撤去された場所も含まれている。
ゴサイビ氏は「残念ながら、地雷の敷設は続いています。実際に、Masamのチームは多くのエリアで撤去しましたが、より危険な方法で再敷設が進んでおり、地雷の数も増えています」
「フーシ派が地雷や爆破装置の製作に用いる手法や技術が着実に進化する一方で、フーシ派は地雷や爆破装置の向上に継続的に取り組み、新たな技術を導入しています」と述べている。
同氏によると、タイズ県の23の地区のうち18か所にフーシ派の地雷が埋められており、そのため、西部ではフダイダに次いで同県が最も広範に地雷が埋まった地域となっているという。