
テヘラン:イランの準軍事組織である革命防衛隊(IRGC)は水曜日、アラビア湾の島々で電撃的な軍事訓練を実施した。イランによる最近のタンカー拿捕(だほ)を受け、米軍が地域でのプレゼンスを高めつつある中での出来事である。
イランの国営通信IRNAは、革命防衛隊は主にアブー・ムーサ島で訓練を行ったが、大トンブ島にも部隊を上陸させたと報じた。艦船、ドローン、ミサイル部隊が訓練に参加したという。
イランは訓練を開始した理由を明らかにしなかったが、このような突然の演習は過去にも行われている。
「我々は常に安全と平穏を求める。それが我々の方法だ」と、革命防衛隊司令官ホセイン・サラミ将軍は訓練中のテレビ演説で語った。「わが国は警戒を怠らず、あらゆる脅威、複雑な陰謀、秘密のシナリオ、敵対行為に対して断固とした措置をとる」
しかし、この訓練は、水陸両用強襲揚陸艦USSバターンとUSSカーター・ホールの両艦に所属する数千人の海兵隊員と水兵がアラビア湾に向かっている最中に行われた。すでにアメリカは、A-10サンダーボルトII戦闘機、F-16戦闘機、F-35戦闘機、ミサイル駆逐艦USSトーマス・ハドナーをこの地域に派遣している。
米国防総省は、この展開は「ホルムズ海峡とその周辺海域の自由な通商の流れを脅かそうとするイランの最近の企てに対応するため」だと述べている。世界の石油の約20%が、アラビア湾と広い世界を結ぶこの狭い水路を通過しており、米国はこの海峡を、自国の安全保障と世界のエネルギー価格の安定にとって極めて重要なものだと見なしている。
一方、イランは主要国家と結んだ2015年の核合意の崩壊後、今まで以上に兵器級のレベルに近いウランを濃縮している。
また、イランは、ウクライナ戦争でイラン政府が爆弾を搭載したドローンを供給しているロシアが最近行った、アラビア湾の3島に関する発言に不快感を示そうとしている。ロシアはこの夏、湾岸協力理事会(GCC)との共同声明で、島々の領有権を決めるために「二国間交渉か国際司法裁判所での裁判」を求めた。この発言はイランの反発を招き、同国政府はロシア特使を召喚した。
AP