
エルサレム:パレスチナ当局によると、8月30日(水曜日)にヨルダン川西岸地区北部の難民キャンプでパレスチナ人とパレスチナ治安部隊との間で戦闘が発生し、25歳のパレスチナ人が死亡した。
この騒乱は、紛争が絶えないヨルダン川西岸地区で秩序を保とうとするパレスチナ警察が直面する難題を浮き彫りにした。
占領地域の他の場所では、イスラエル治安部隊が、検問所で兵士に車で突っ込もうとしたとされるパレスチナ人男性を射殺、車は兵士に当たって軽傷を負わせたと当局が発表した。これは、ここ数年で最も暴力的な局面にあるヨルダン川西岸地区における最新の事件である。
パレスチナ警察がトルカレムの難民キャンプに立ち入った理由について、パレスチナ治安当局のタラル・ドゥワイカット報道官は、同キャンプの住民がパレスチナ自治政府に対し、地元の武装勢力によって設置された、家や学校へのアクセスを妨げている金属製の道路バリケードを撤去するよう訴えたためだと述べた。角度のついたこれらの金属製のバリケードは、ヨルダン川西岸地区北部の軍事化された難民キャンプによく見られるもので、頻繁に行われる軍隊の襲撃時にイスラエル軍の車両を阻止するためのものだ。
同報道官によると、警察が通りを清掃した後、パレスチナ武装勢力がトルカレム自治政府支部の前で発砲した。警察は「治安状況をコントロールするために」対応したと彼は付け加えた。
メディアへの説明が許可されていないため匿名を条件に語ったトルカレムのパレスチナ人治安担当官は、彼が25歳と特定した無関係のパレスチナ人住民が銃撃戦に巻き込まれ死亡したと述べた。
同氏は、パレスチナの治安部隊は催涙ガスとスタングレネードをパレスチナのイスラム聖戦過激派に向けて発射したが、実弾は発砲していないと主張した。パレスチナ人は死因を特定するために検視を行おうとしているが、地元の過激派グループはこれを拒否し、遺体を保管しているという。
ハマス過激派グループは、この死を非難した。パレスチナの治安部隊は、調査を行っていると述べている。
パレスチナ自治政府の管理下にあるヨルダン川西岸地区北部にある緊張の要衝都市において、パレスチナ治安部隊が内部統制を取り戻そうとする試みが、反抗的な武装勢力の怒りをかき立てている。彼らは、不人気な自治政府とその指導者であるマフムード・アッバース大統領をイスラエルの協力者であると非難している。パレスチナ自治政府は、イスラエル占領地域の半自治区を統治している。
ユダヤ人入植者による急増する攻撃や、しばしば致命的となるイスラエル軍によるパレスチナの町や都市への襲撃からパレスチナ人を守ることができない、パレスチナ治安部隊は、その無力さと、30年前のオスロ和平合意にまで遡るイスラエルとの安全保障上の同盟関係の悪評から、世論の強い批判に直面している。
トルカレム難民キャンプでの戦闘が一段落しても、状況以前として緊迫している。ジェニン近郊の警察トップ、アッザム・ジェバラ准将は、当局はトルカレムに警察の増援を送っていると述べた。
一方、イスラエル軍は、車での突撃攻撃の試みは、パレスチナの大都市ヘブロン南部の丘陵地帯にあるユダヤ人入植地ベイト・ハガイ付近で発生したと発表した。イスラエル治安部隊は、軍の駐屯地に向かって加速したパレスチナ人ドライバーを射殺したという。車に当たった兵士は病院に運ばれた。現場からの画像は、車のエアバッグが血で汚れ、ドライバー座席の窓には多数の銃弾の跡があることを示していた。
加害者と思われるパレスチナ人の容体については、すぐには明らかにされなかった。
APの集計によると、今年に入ってからヨルダン川西岸地区では180人近くのパレスチナ人がイスラエルの銃撃で死亡している。イスラエルによれば、殺害されたパレスチナ人のほとんどは武装勢力だという。しかし、侵攻に抗議して投石する若者や、対立に関与していない人々も殺されている。
この間、イスラエル人に対するパレスチナ人の攻撃で30人ほどが殺されている。
イスラエルは、襲撃は過激派のネットワークを解体し、将来の攻撃を阻止するためのものだと述べている。パレスチナ人は、襲撃は彼らの治安部隊を弱体化させ、さらなる過激派を鼓舞し、彼らが将来の国家設立を望む土地に対するイスラエルの支配を強固なものにすると語る。イスラエルは、1967年の中東戦争で、東エルサレム、ガザ地区とともにヨルダン川西岸地区を占領した。
AP