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レバノン最大のパレスチナ人キャンプで衝突の被害により新学期開始遅れる可能性あり、と国連発表

2023年8月3日、シドン近郊のパレスチナ難民キャンプ、アイン・アル・ヘルワの国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の学校前で、パレスチナ勢力間の衝突で焼かれた数十台の車の焼け跡が見られる。(AP)
2023年8月3日、シドン近郊のパレスチナ難民キャンプ、アイン・アル・ヘルワの国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の学校前で、パレスチナ勢力間の衝突で焼かれた数十台の車の焼け跡が見られる。(AP)
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04 Aug 2023 10:08:05 GMT9
04 Aug 2023 10:08:05 GMT9
  • この2日間、不安定な静けさが続いているが、レバノンの国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のスタッフはキャンプに立ち入ることができずにいる
  • レバノンのUNRWAのドロシー・クラウス事務局長は、UNRWAが所有する4つの学校のうち、厳重に要塞化された1つの複合施設が「武装勢力によって襲撃された」と述べた

ベイルート:レバノン最大のパレスチナ難民キャンプにある学校施設が、先日のパレスチナ勢力間の衝突により被害を受け、約6千人の子どもたちの新学期開始が遅れる可能性があると、国連当局者が金曜日に発表した。

この懸念は、7月30日日曜日にアイン・アル・ヘルワで、パレスチナのマフムード・アッバース大統領のファタハとイスラム主義組織ジュンド・アル・シャームとシャバーブ・アル・ムスリムとの間で激しい市街戦が発生したことを受けて生じた。衝突は、ファタハ軍のアブ・アシュラフ・アルムーシ将軍を射殺したとしてファタハがイスラム主義者たちを非難したことから発生した。

今回の戦闘で少なくとも13人が死亡、数十人が負傷し、5万人以上が暮らす同キャンプからは数千人が避難した。

この2日間、不安定な静けさが続いているが、レバノンの国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のスタッフは、被害の十分な査定やサービスを提供しようにも、キャンプに立ち入ることができずにいる。

レバノンのUNRWAのドロシー・クラウス事務局長は、AP通信の取材に対し、同機関の4つの学校からなる厳重に要塞化された複合施設は、「関係武装勢力によって襲撃され、遺憾ながら戦闘の開始点としても利用された」と語った。

イスラム主義組織の武装勢力は、学校施設内のある地点からアルムーシ将軍を射殺した、と報じられている。
その後の戦闘で、学校は「大きな損害」を受けたとし、クラウス氏は「6千人の子どもたちの新学期は、必要な修理が終わるまで延期しなければならないかもしれない」と述べた。UNRWAの学校の新学期は現在、レバノンの学校と同時期の10月第1週に始まる予定である。

キャンプ内のパレスチナ勢力間の衝突は今週が初めてではない。その結果、クラウス氏によれば、学校施設は「時間をかけて要塞化され、授業時間中に外で衝突が起きても(子供たちが)安全でいられるようになった」のだという。しかし、最近では要塞としても使われている、と同氏は語った。

「今後、学校が二度と暗殺や武装活動の活動拠点として使われることがないように、学校の建築設計全体を見直さなければならないと思います」と、同氏は語った。

キャンプ内の修理や再建には数十万ドルかかるだろうとクラウス氏は語った。その資金がどこから調達されるのかについては不明である。

今回の衝突以前から、UNRWA当局は、同機関の資金が大幅に不足し、秋までにサービスが縮小されたり、職員の給与が支払えなくなったりする可能性があると警告していた。

UNRWAは、1948年のイスラエル建国後、故郷から逃れたり、追われたりした何十万人ものパレスチナ人のために設立された。現在、パレスチナ難民の人口は約590万人に達し、その大部分がガザ地区とイスラエル占領下のヨルダン川西岸地区、そして中東の近隣諸国に住んでいる。近年、同機関はほぼ恒常的に財政危機に陥っている。

レバノンのもう一つのキャンプ、ナール・アル・バレドは、2007年にキャンプ内のイスラム過激派とレバノン軍の戦闘で大規模な被害を受けたが、いまだに復興は完了していない。クラウス氏によれば、再建を完了させるにはあと4千万ドルが必要とのことだ。

クラウス氏は、アイン・アル・ヘルワで復興が進められる場合は、衝突が繰り返されないようにするための「ロードマップ」と結びつけられるべきだと述べた。

「持続可能な解決策が見つかっていないため、年内にさらに被害を受けてしまっては、どんな投資も台無しになってしまって非常に嘆かわしいことです」と同氏は語った。

レバノンには50万人近いパレスチナ難民が登録されているが、UNRWAの名簿には残っているものの移住した人も多いことから、実際の数は20万人程度とみられている。

レバノンのパレスチナ人は、就労や財産を所有する権利を制限され、その大多数が貧困に苦しんでいる。

クラウス氏は、最近の衝突は「いまだに解決されていない紛争、ここレバノンでの未解決のパレスチナ難民の立場を反映している」と語った。

「アイン・アル・ヘルワで起きたような大きな危機によって、レバノンにおけるパレスチナ難民の存在に対して、どうすればより持続可能なアプローチを見出すことができるかを検討する扉が開かれることを願うばかりです」と同氏は語った。

AP

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