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スペースデブリの脅威に向けた世界的対策で「先頭に立つ」サウジアラビア

リヤドで開催されたスペースデブリ・カンファレンスには、50か国あまりから260人以上のリーダー、専門家、講演者が参加し、月曜日に閉幕した。(SPA)
リヤドで開催されたスペースデブリ・カンファレンスには、50か国あまりから260人以上のリーダー、専門家、講演者が参加し、月曜日に閉幕した。(SPA)
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13 Feb 2024 06:02:40 GMT9
13 Feb 2024 06:02:40 GMT9
  • 革新的な解決策が求められるなか、リヤドフォーラムが増大するリスクに対処

ヘブシ・アル・シャマリ

リヤド:サウジアラビアは、増大するスペースデブリ(宇宙ゴミ)の脅威への対抗を目的とした国際的な取り組みの促進において、重要な役割を果たしていると、リヤドで開催された世界フォーラムで伝えられた。

「グローバルな宇宙経済の今後の確実な成長に向けて」というテーマを掲げたこのスペースデブリ・カンファレンスには、50か国あまりから260人以上のリーダー、専門家、講演者が参加し、月曜日に閉幕した。

このカンファレンスとその活動は、スペースデブリに関連する課題とリスクの理解、ならびに宇宙分野における経済的将来を確保するための政策の採用を目指す、サウジアラビアの取り組みを明らかにしている。

通信・宇宙・技術委員会、国際電気通信連合、国連宇宙部(UNOOSA)との協力のもと、サウジ宇宙庁が主催したこのカンファレンスには、スペースデブリ問題への対処における法律や将来の傾向について取り上げた、ディスカッションセッションと基調講演がそれぞれ4つ含まれていた。

参加者は、この脅威に対する技術的解決策を発見することの重要性を強調するとともに、将来世代のための宇宙の保護を呼び掛けた。そして、デブリ問題に対処し、将来の世代に引き継がれる憲章を策定して、宇宙の持続可能性につなげる必要性を強調した。

また、宇宙の持続可能性と進歩を達成すべく協力を強化するというサウジアラビアのコミットメントを反映して、リスクの排除と地球の安全確保を目的とした将来的な解決策に関する一連のアイデアが提示された。この取り組みは、サウジアラビアと人類全体の両方に役立つよう、宇宙経済を発展させ、宇宙イノベーションを刺激することに焦点を当てている。

リヤドで開催されたスペースデブリ・カンファレンスには、50か国あまりから260人以上のリーダー、専門家、講演者が参加し、月曜日に閉幕した。(SPA)

サウジ宇宙庁が代表を務めるサウジアラビアは、地域初開催となるこのカンファレンスを通じて、宇宙分野の主要国の中での地位を強化することを目指している。そして、人類に役立つ数多くの科学研究と探査を実施することでこれを達成しようとしている。これらの取り組みを通じて、サウジアラビアは地球を保護すると同時に、宇宙分野における新たな領域を形作るというコミットメントの確実な遂行に努めている。

カンファレンス2日目の最初の基調講演は、「地球軌道からスペースデブリを除去するミッション」と題し、スペースデブリ除去を専門とするクリアスペース社のリュック・ピゲ最高経営責任者が登壇した。

同氏は、地球の軌道や宇宙システムへの脅威を高めているスペースデブリを除去する取り組みに触れ、2019年にNASAからスペースデブリ除去の最初の要請を受けたことを明らかにするとともに、1個のデブリの除去にかかる費用は1億ドル以上に達することがあると付け加えて、この課題に立ち向かうための世界的な解決策やより深い国際協力を呼び掛けた。

「スペースデブリの低減と除去」に関して、このセッションでは、衛星技術とそのリモートセンシング機能の開発、ロボットの改良によるスペースデブリ除去における将来的な使用の確保など、キング・アブドルアジーズ科学技術都市での取り組みについて議論された。

セッション参加者は、スペースデブリの増加は、気候や経済への影響に加え、インターネットや科学研究などの地球上の重要なサービスに影響を与える可能性のあるリスクの増大に直接関係していると説明した。講演者らは各国や政府に対し、事業者に責任を持たせ、解決策の発見を義務付ける、拘束力のある法律を制定するよう求めた。

ローンチスペース・サービスのマーシャル・カプラン最高執行責任者は、多くの宇宙分野の専門家曰く「問題の解決策を提供する」であろう、効果的なデブリ除去技術分野における最新のイノベーションと開発について強調した。

カプラン氏は、この重要なテーマにおけるサウジアラビアのリーダーシップを考慮して、サウジ宇宙庁が世界的なイニシアチブの主導的役割を担い、世界トップクラスの頭脳や革新的な起業家とのブレインストーミング会議を立ち上げて、スペースデブリの問題に対処する新たな技術の発見に取り組むことを提案した。

スペース・エコノミー・ライジングの創業者で最高経営責任者を務めるケビン・オコネル氏は、スペースデブリ問題に対処する世界的な取り組みの統一に向けて、率先して行動するサウジアラビアを称賛した。

オコネル氏は、1967年の宇宙条約などの国際協定は宇宙の軍事化を制限し、その平和的利用を最大限に高めることを目指していると述べた。

「私たちは現在、宇宙空間の平和的利用を目的とした、宇宙セクター、ロボット工学、宇宙技術の隆盛に伴い、世界中で多大な投資活動が行われているのを目の当たりにしている」と同氏は付け加えた。

開催初日、最初のセッションである「国境を超え、デブリを超えて:持続可能な宇宙の未来に向けた宇宙機関の団結」と題したパネルディスカッションで、カンファレンスの幕は切って落とされた。

2番目のパネルはUNOOSAが主催し、「指針を進歩に変える」と題され、スペースデブリ問題の緩和に寄与する新技術の開発など、国連宇宙部が果たそうとしている役割にスポットライトが当てられた。参加者は、宇宙はすべての人が平等にアクセスできるものであり、全人類の利益のためには協力が不可欠であると指摘した。

「ライセンス機関の役割」と題された3番目のパネルディスカッションでは、スペースデブリの課題への取り組みにおける主要プレーヤーとしてのサウジアラビアの役割について議論された。

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