ルバ・オバイド
ジェッダ:サウジの若者たちにとって、ある特定のスポーツ、フェンシングの最も素晴らしい点は、まさに自分の人生を肯定してくれるものになっているところだ。
「フェンシングは忍耐力、正義感、怒りの対処法を教えてくれました」と21歳の女子フェンシング選手、ルバ・アル・マスリは語った。
何世紀もの歴史があるこの華麗なスポーツに、彼女は多くの若いサウジアラビアの女性アスリートたちと同様に、天職を見出したようだ。
父親がアスリートのキャリアを歩んできたことに触発されて、アル・マスリは、3年前にフェンシングを始め、国内外の大会で銀メダルや金メダルを獲得してきた。
「幼い頃から父の写真や、父がキャリアの中で獲得したメダルをよく見ていました」と、アル・マスリがアラブニュースに語った。「家族は、父の足跡を辿って、自分の旅を始めろと言ってくれた、私の最初のサポーターでした」。
2016年のオリンピックにサウジアラビアの女性が初めて参加して以来、同国ではスポーツに女性がますます参加するようになっている。そして、フェンシングが最も人気を得るに至っているのだ。
「これまで、サウジの女性フェンシング選手の数は200人を超えており、今年はサウジのフェンシング史上初の5人の女性審判員を世に送り出す取り組みが行われました」と、サウジアラビア・フェンシング連盟のアフメド・アル・サッバーン会長がアラブニュースに語った。
このスポーツへの女性の参加は、東部州では2015年に始まったばかりだと、アル・サッバーンは語り、この地域の女性フェンシング選手が練習をしにバーレーンに渡ったことを付け加えた。これらの選手のうちの一人、ルブナ・アル・オマイルは、2016年のオリンピック参加選手に選ばれた。
「その後、2017年から、リヤド、ジェッダ、ダンマームで3つほどの女子アカデミーが設立されました」と彼は語った。「我々は、王国のすべての地域に女性フェンシングアカデミーができるように取り組んでいます」。
フェンシングは、1960 年代以降、王国で行われていると、アル・サッバーンは述べ、ジェッダのセブン・パレス・スクールがその発祥だと指摘した。王国で石油が発見されて以降ザフラーンに移住した多くの外国人も、サウジの人々にこのスポーツを紹介する役割を果たした。
アル・サッバーンによると、このスポーツは当初は東部州とタブ―クで人気となり、その後国内のあらゆる地域に広まったという。現在では、サウジアラビア・フェンシング連盟は、ジッダ、リヤド、タイフ、メディナ、タブーク、東部州でアカデミーを運営している。
苦労が報われたのだ。
アル・マスリは、サウジアラビア・フェンシング連盟が立ち上げた夏季オリンピック・フェンシング・プログラムに参加した2018年4月に、フェンシングを始めた。
「フェンシングはワクワクして、面白いスポーツです」とアル・マスリは述べ、「集中力や正確さの観点で、選手の人格を向上させてくれるのです」。
彼女は、このスポーツでは「あらゆる感覚を同時に使用することが求められますが、それにより、人の素早い機転と観察力が向上するのです」と、彼女は付け加えた。
身体の動きの利点と相まって、フェンシングは一般的な健康を増進させることができると、彼女は語った。
初めからアル・マスリは、装備、衣装、技術の面でこのスポーツのユニークさに惹かれていた。
「正直言って、このスポーツで最も魅力的に感じたことの一つは、フェンシングの衣装の華麗さと、他のスポーツとの違いでした」と彼女は述べた。「また、体全体をほぼ覆ってくれるので、心地良いとも感じました」。
アル・マスリは、王国初のフェンシング女子選手権で金メダルを獲得した後、サウジアラビア代表として国際的に、エジプト、チュニジア、クウェート、ヨルダン、フィリピンなどを訪れた。
「私は、成功は最初の金メダルだけでは始まらないことも学びました」と彼女は付け加えた。「そうではなく、成功は粘り強さと進歩から始まるのです」。
現在、アル・マスリは東京オリンピックに参加する野望を抱いており、サウジアラビア初の女性金メダリストになることを目指している。また、アジア選手権やフェンシング・ワールドカップでも成功を収めたいと考えている。
「フェンシングでは特定の身体的基準が求められないので、誰でも何歳でも練習することができます」と彼女は述べた。「しかし、チャンピオンになりたいのであれば、若いうちから始めるのが望ましいでしょう」。
アル・サッバーンは、フェンシングを学ぶのに予め必要な条件はないと述べ、これに同意した。しかし、日々のトレーニング、健康的な栄養摂取、フィットネス、質の良い睡眠など、フェンシング選手の成功に役立つ最適な練習法はあると述べた。
「サウジアラビア・フェンシング連盟は、他のスポーツ連盟をしのぐ、王国の女子スポーツのリーダーであり続けています」と彼は述べた。
「リーダーシップが引き続きこれを支え、フェンシングが王国のすべての女性にとっての第一の選択肢となり、あらゆる大会で我々が金メダルを獲得し続けることを願っています」。
アル・マスリと彼女の仲間たちも、同じ目標を夢見ているに違いない。