
ラシッド・ハッサン、リヤド
火曜日、リヤード州知事であるファイサル・ビン・バンダール王子が、サルマン国王に代わり2日間にわたるグローバル・サイバーセキュリティ・フォーラムの開会を宣言した。これは、世界中からトップのサイバーエキスパートが集まり、地域のサイバーセキュリティ・インフラとグローバルなサイバーセキュリティ・エコシステム間のリンクを強化するものである。
国家サイバーセキュリティ庁(NCA)が主催するこのフォーラムでは、グローバルな政策立案者、企業、投資会社、国際機関の代表を迎え、世界のサイバーセキュリティ全体をどのように維持すべきかについて議論する。
フォーラムへの支援に感謝し、知事は開会の挨拶で、サウジアラビアではサウジビジョン2030に従い大規模な近代化が行われていることを再確認した。
彼は、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が開始した、グローバルなサイバーセキュリティに貢献する2つの構想を発表した。1つは、サイバースペースにおける子どもたちの保護に関するもの、そして2つ目はサイバーセキュリティにおける女性の進出に関するものである。
「このフォーラムは、経験を交換し、アイデアを出し合い、すばらしい国際的な取り組みや最も重要な進展について議論する機会を提供します」とファイサル王子は言う。
また彼は、フォーラムが経験やサイバーセキュリティ戦略の共有を通じ、参加国間の信頼や共同責任を強化するものとなると確信していると述べた。
オープニングセッションで公演したアブダラ・アル=サワハ通信情報技術大臣は、2つのグローバルな構想の発表を次のように称賛した。「最初の構想は…子供たちにとって安全なサイバーワールドの確保に関連するもので、これにより私たちは、いじめや攻撃を最低限に抑え、このスペースを保護することができます。また女性にも焦点を当てる必要があり、サイバーセキュリティの世界で女性のための構想も開始します。」
「これら2つの構想を基に、人々に力を与え、物理的およびデジタルの世界を保護し、新たな成功を導き出すことにより、21世紀の機会を成功させ実現できると確信しています。」
「今後5年間にデジタル経済が世界経済の4分の1を占めることが予想されます」と彼は付け加え、第4次産業革命の課題に立ち向かうことによりこの機会を利用する必要性を強調した。
彼は、世界経済フォーラムの最新のグローバルリスク報告書が、サイバーセキュリティが最大の課題に直面しており、G20諸国経済の3分の1以上に相当する6兆ドル以上の経済価値を持つ業界が脅かされていることを示していると指摘した。
NCA のカリド・アル=サバティ長官 は、王国のサイバーのこれまでの実績と今後の道のりについてプレゼンテーションを行った。NCAのムサード・アル=アイバン議長は、次のように述べている。「私たちは、このフォーラムを開催し、サイバーセキュリティの協力とイノベーションの促進を担う役割を果たせることを非常にうれしく思います。絶え間なく進化する脅威に対しては、サイバーセキュリティに関するグローバルな協力の強化が必要です。グローバル・サイバーセキュリティ・フォーラムは、世界経済をさらに保護し、サイバースペースをすべての人にとってより安全なものにするため、グローバルリーダーが有意義な行動をとることを促しています。」
58か国から1,200人以上が参加するこのフォーラムには、Microsoft、IBM、FireEyeなどの世界有数のサイバーセキュリティ企業が参加しており、サウジアラビアの急速に成長するサイバー部門の発展を加速し、グローバルサイバー業界の成長を支援することにより、サイバーセキュリティ業界に多額の投資をもたらすことが期待されている。
ハイライト
このフォーラムは、地域およびグローバルサイバーセキュリティに携わる組織間の国際的な協力を強化する役割を果たす。より優れたサイバーセキュリティに関するトレーニングを若者に提供し、またサイバーセキュリティ戦略について国際機関と協力を行うための5つの主要な了解覚書(MoU)がフォーラムに合わせてNCAによって署名される。
NCAとグローバル・レジリエンス協議会の間の了解覚書は、情報共有と脅威緩和戦略の改善を通じ、重要な国家インフラのサイバーセキュリティ保護を強化することを目指す。
UL(Underwriters Lab)との了解覚書は、王国がサイバー脅威の緩和における国家能力をさらに強化できるようにする戦略的パートナーシップであり、一方、キング・アブドラ科学技術大学、サウジアラビア人材開発基金およびNeomと署名した了解覚書は、サウジアラビアの学生がサイバーセキュリティに関する深い知識と理解を獲得できるようにし、資格のあるサイバーセキュリティ専門家を数多く送り出すことを目指す。
2日間にわたり、参加者は、フォーラムの5つのテーマ(サイバーセキュリティ業界、国際的なサイバーコラボレーション、サイバーカルチャー、サイバー破壊、サイバー脅威とレジリエンス)に関する諸問題をどのように理解する必要があるか、また、世界のサイバー防御の整合性を強化するためにどのような対応を行っていく必要があるかについて議論する予定である。