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「1つずつ着実に」この地域の問題を解決していく:サウジ外相

サウジアラビアの外相ファイサル・ビン・ファルハーン王子。(SPA)
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20 May 2023 05:05:34 GMT9
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ラマ・アルハマウィ

リヤド:第32回アラブ連盟首脳会議が金曜に終了した。サウジアラビアの外相ファイサル・ビン・ファルハーン王子は、連盟のアフマド・アブルゲイト事務局長と共に壇上に上がり、今回のイベントの主な収穫と、合意された新たなイニシアティブのいくつかを取り上げ、強調した。

ジェッダで開催された今回の会合の大きな結論の1つは、アラブ諸国の安全、安定、主権を支援するために、アラブ共同行動の推進を重視する必要性だった。

今回のシリアのアラブ連盟への再加盟と、バッシャール・アサド大統領の会議への出席は、その共同行動の一部を表すものである。

この首脳会議では、その他にも、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領が初めて訪問・参加するなど、多くの画期的・歴史的な瞬間があった。ゼレンスキー大統領は演説で、ウクライナ国民へのさらなる支援を呼びかけると共に、ウクライナとアラブ世界の関係強化に向けた努力を強調した。

サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、サミットのため到着した各国の首脳たちを出迎え、第32回アラブ連盟理事会定例会議の議長を務めた。

サルマン皇太子は冒頭の挨拶で、アサド大統領の首脳会議復帰を歓迎した。シリアは12年間にわたり、連盟から参加資格を停止されていた。

「シリアのアラブ連盟復帰により、同国の危機に終止符が打たれることを期待している」と、皇太子は述べた。

「我々は、近隣諸国や西洋・東洋の友人たちに対し、平和、善意、協力、構築のために、国民の利益を達成し、国家の権利を守るやり方で前進していることを保証する 」

また、アサド大統領がサミットに出席していることと、アラブ連盟がシリアの再加盟を決定したことに、喜びを表した。

「これが、シリア国民にとって良い結果をもたらすと共に、この地域のより良い未来に対する我々のすべての願望を支える形で、シリアの安定、正常な状態への復帰、アラブ諸国における同国の通常の役割の再開を支援することになると期待している」と、皇太子は述べた。

「我々は、この地域が紛争の場に変わることを許さない。この地域が乗り越えてきた何年にもわたる紛争を思い出すことにより、その苦痛な日々を過去のものにするだけで十分だ。紛争が人々に苦しみを与え、発展のプロセスを遅らせてきたのだから」

アラブ連盟がシリアを再加盟させた一方で、ワシントンのバイデン政権とそのヨーロッパの同盟国は、アサド大統領とその政権を対象に、引き続き孤立政策を維持している。

首脳会議後、ファイサル王子は 、「⁦シリア⁩とは対話が必要だった。我々は欧米の同盟国の見解も理解しており、パートナー諸国と協議を行う予定だ⁦」と述べた。

また、⁩スーダンで進行中の危機を解決するための協議が首脳会議の重要な議題の1つだったが、一気に問題を解決することについて話し合うには、まだ時期が早すぎると話した。

「⁦スーダン⁩の状況は不幸であり、今は停戦に達することが重要だ。王国は⁦米国⁩と協力して、人道的停戦の達成を目指している」と、ファイサル王子は述べた。

ムハンマド皇太子は会議冒頭のスピーチで、今回の対話がスーダンの統一とスーダン国民の安全を守るための基礎となることを期待すると表明した。

首脳会議の主要議題の1つであり、王国の外交政策の最優先事項の1が、パレスチナ問題であり、この問題のアラブ民族やイスラム教徒の中心的な問題としての重要性だった。

イエメンでの紛争ももう1つの重要なテーマだった。これについて皇太子は、「イエメンの当事者たちが、イエメン危機を終わらせる包括的な政治的解決に至るのを支援することにも、我々は取り組んでいる」と述べた。

今回の首脳会議で、5つの新たなアラブのイニシアティブが生まれた。その1つが、アラブ系移民の2世・3世を対象に、アラビア語を母国語としない人たちにアラビア語を教え、国同士のコミュニケーション強化を支援する取り組みである。

2つ目のイニシアティブは文化と緑の未来に関する取り組みで、持続可能性に関連する文化政策の開発と、アラブ諸国のクリエイティブな経済に利益をもたらす、環境に優しい文化的実践の支援を目指す。

第3のイニシアティブは食料安全保障に焦点を当ており、アラブ諸国における基本食料品の持続可能なサプライチェーンを重要視する。その目的は、食料安全保障の向上に貢献できる、経済的に実現可能な投資機会を提供することである。

4つ目の新たな研究イニシアティブは水の淡水化に焦点を当てており、淡水化プロセスのコストを削減し、効率性を上げることを可能にする、ノウハウや専門知識の共有を目標とする。

最後の新たなイニシアティブは、持続可能性と経済発展を研究するためのシンクタンクの設立である。これにより、持続可能な発展のための新しいアイデアを促進し、共同研究や多国間研究での協力と戦略的パートナーシップの重要性を強調することを目指す。

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