
東京:金曜日、東京の皇居で毎年恒例の「歌会始の儀」が開かれ、皇后雅子さまからは、母の愛と平和への願いが込められた歌が詠まれた。
この歌には、娘の愛子さまが、第二次世界大戦末期に原爆で破壊された広島への修学旅行後に書いた文章に、雅子さまが感動した様子が詠まれている。
歌で新年の幕開けを迎えるのは日本文化の一部となっている。宮内庁によると、御所での集いは13世紀に始まったと考えられている。
スーツや着物などのフォーマルな装いの来賓の中には、自身の歌が入選して招待された方々もいた。
伝統的な「和歌」の文体で詠まれたさまざまな作品が金曜日に披露され、皇室の方々が見守るなか、聖歌のように厳かに読み上げられた。文字通り「日本風の歌」を意味する和歌は、通常「五七五七七」という音節形式に従った短い詩である。
愛子さまの歌は、学習院大学で学んだ和歌に惹かれるご自身の思いを表現したものであった。愛子さまは、この芸術が千年の時を経て受け継がれていることに驚嘆し、その間には人々の深い苦しみもあっただろうと思いを馳せている。
天皇陛下の歌は、日本全国を訪れた際に見た、すべての人々の笑顔を描写することで、平和に対する思いを確認したものであった。
戦時中の昭和天皇(裕仁)の孫である天皇徳仁陛下とそのご家族は、かなり国民に好かれており、どこへ行っても群衆が手を振って迎えてくれる。天皇には政治的権力はないが、日本にとっての象徴的な存在という意味がある。天皇徳仁陛下の父明仁さまは2019年に退位した。通常、死によって退位となる日本の天皇としては、これは異例のことである。
雅子さまが詠まれた歌は次のとおりである(公式英訳付き):
広島をはじめて訪(と)ひて平和への深き念(おも)ひを吾子(あこ)は綴れり
AP