

ドバイ:2月2日まで、日本のダンスグループ「フュージョン・ジャパン」は火曜日を除く毎日、ドバイのグローバルビレッジを彩り、多様な人気楽曲に高度な振付を施したパフォーマンスで日本の四季を表現する。
このダンスグループは2つのグループの融合だ。全員が女性の「ファビュラス・シスターズ」と、全員が男性の「九州男児」が、対照的なそれぞれのグループのダンススタイルを組み合わせる。
「ファビュラス・シスターズは女性グループで、私たちはアーバンジャズと呼ばれるジャンルのパフォーマンスをしています」と、グループメンバーの藤田秋穂、佐々木つくし、渡邉由佳はアラブニュース・ジャパンの取材に語った。
「ジャズダンスを軸にした基本の動きのなかに、ワッキングというテクニックを取り入れています。ヴォーギングなどのテクニックのことです。私たちはこれをアーバンジャズと呼んでいます」と、彼女らは説明した。
一方、男性グループの九州男児のパフォーマンスは、アーバンダンスとブレイクダンスのミックスだ。「とても独創的で、アクロバティックな動きをたくさん取り入れています」と、九州男児のメンバーの深見修平、深見健太、堀壱成はアラブニュース・ジャパンの取材に語った。
「パフォーマーとして、僕たちは新しいスタイルに取り組んでいると思います」と、メンバーらは語り、2024年のパリ夏季五輪で新種目となるブレイクダンスには、かつてないほど注目が高まっていると述べた。
フュージョン・ジャパンはドバイでのパフォーマンスで、日本の要素を取り入れた特別な振付を演じている。「最初から最後まで、日本文化を強調する内容にしたいと思いました。ここ(ドバイ)の文化はまったく違いますから」と、メンバーらは言う。
「ショーに来てもらって、外国に足を踏み入れたような気分を味わってもらえたら、とても嬉しいです」と、かれらは語った。
ショーは日本の四季をテーマとしており、それぞれの季節を表現した短いパフォーマンスの連続からなる。20分間のセットの幕開けで、ファビュラス・シスターズは和傘を使った息を呑むようなシンクロした動きを見せる。
続いて九州男児が、壮麗な日本の景色を背景に、女性陣の動きに合わせたアクロバティックな動きを披露する。最初のパートはさらに、かれらの卓越した才能を裏づける高度な振付へと展開する。
ショーの第2パートでは、ファビュラス・シスターズのメンバーのひとりがリボンを使ったリズミカルな器械体操を披露し、ほかのメンバーは扇子を手に、Adoがカバーしたボーカロイドの人気曲「千本桜」に合わせたパフォーマンスを見せ、日本文化の別の側面に光を当てる。
ショーの終盤、深見健太は高さ2メートルの足場の上で1分間にわたるヘッドスピンを披露する。「世界で見ても、こんなに高い場所でヘッドスピンをするパフォーマーはいないでしょう」と、グループは豪語する。
才能あふれるフュージョン・ジャパンがショーの最後の楽曲に選んだのは、『鬼滅の刃』の主題歌であるLiSaの「紅蓮華」で、アニメファンには特別なプレゼントだ。メンバーはアラブニュース・ジャパンの取材に対し、この曲はショーのなかで一番のお気に入りだと語った。「美しい曲ですし、振付の表現はもうひとつのハイライトです」
ファビュラス・シスターズと九州男児は、別々のチームとして10年以上にわたり日本のダンスシーンで競い合ってきた。かれらはもともとライバル関係にあったのだ。「ナツミ(ファビュラス・シスターズのメンバー)と堀は、すごく小さな頃からずっと激しく競い合っていました」と、メンバーは振り返る。
「僕たちが力を合わせたら、世界的ムーブメントを起こせるんじゃないかと思いました。フュージョンは日本代表のようなものなので、名前に「ジャパン」を付けました」と、かれらは語った。
17歳から37歳までのメンバーからなるスーパーグループは、『アメリカズ・ゴット・タレント』のシーズン17に参戦し、世界的成功を手にした。
「アメリカはずっと夢でした」と、九州男児のメンバーはアラブニュース・ジャパンに語った。「日本で番組を見ていましたし、世界最大級のオーディション番組なので、僕たちもダンスで挑戦したいと思ったのです」
彼らは番組に新しい要素を持ち込もうと、出場にファビュラス・シスターズを誘った。「ただのダンスパフォーマンスでは予想を越えられません。エンターテイメントをやりたかったのです。今までで最大の挑戦をしようと決めていました」と、九州男児のメンバーは語る。
彼らに先立って、女性グループのファビュラス・シスターズはすでに『ブリテンズ・ゴット・タレント』、『アジアズ・ゴット・タレント』、『ワールド・オブ・ダンス』に出場し、テレビ番組の出演経験は十分だった。「私たちが組めば最強チームになれます」と、フジタは胸を張る。「私たちはトップを狙い、実際に達成して、夢が叶いました」
番組ではセミファイナルで敗退したものの、この経験はグループにとって特別な思い出となった。「何もかもがグラマラスで、誰もがとてもプロフェッショナルでした。毎日本当にいろいろなことが起こって、すべてが夢のようでした」と、彼らは振り返った。
グループの各メンバーが語った、ダンスに没頭するようになるまでのそれぞれの秘話は、かれらの献身ぶりを裏づけるものだ。26歳の「Bボーイ・イッセイ」こと堀は、幼稚園時代にダンスを始めた。
彼が幼なじみの親友(現在は同じ九州男児のメンバー)に誘われ、初めてブレイクダンスのショーを見たのは6歳の時で、一目で魅了された。
「ヘッドスピンやバックフリップを見て、僕にもできるかもと思いはじめました」と、堀はアラブニュース・ジャパンに語った。偶然にも、この日彼を魅了したダンサーは、今では同じグループの仲間である深見修平と深見健太だった。
堀はダンスが人生に多大な影響を与えたと語り、ダンスのおかげでより社交的になり、自分に自信が持てるようになったと振り返る。「初めて観客の前でパフォーマンスをしたとき、たくさんの拍手を浴びました。それから少しずつ、ダンスを通じて自分を好きになり、ますますのめり込んでいきました」
グループ最年少の佐々木は、日本のリアリティ番組『プロデュース101ジャパン/ザ・ガールズ』の元出場者で、兄弟のダンスを見て興味を持ちはじめたと語る。
佐々木はその後、フュージョン・ジャパンのメンバーでダンス講師のRuuと出会い、多大なインスピレーションを受けて、彼女のダンススタジオでレッスンを受けるため一家で岩手から福島へと移住した。
ファビュラス・シスターズのリーダーで、インスタグラムのフォロワー14万2000人を誇るRuuは、おそらくグループでもっとも人気のあるメンバーだ。彼女は2歳でダンスを始め、アジア最大のダンス競技会であるLegend Tokyoでほとんどの賞を総なめにした最年少パフォーマーとなった。
2つのダンスグループのメンバーであると同時に、彼女は日本の人気楽曲の振付も数多く手掛ける。最近の作品には、『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』の主題歌となったNiziUの「Paradise」や、同じくNiziUの「Coconut」などがある。
@ruufabulous くーちゃんとここなっつ🥥💕🏝 今回も振付させて頂きましたっっ😍🌈ココナッツポーズペアで是非やってね🫶🏻🫶🏻🫶🏻#coconut #niziu #niziu_coconut #つくし #dancestudiovivid
♬ COCONUT (サビ1 ver.) – NiziU
「私の作品づくりは試行錯誤で、いつも観客に合わせてベストを尽くしています」と、Ruuはアラブニュース・ジャパンに語った。「他のアーティスト、ファビュラス・シスターズ、そしてフュージョン・ジャパンでは、それぞれ振付やプロダクションを切り替えるように心がけています」
Ruuに限らず、個々のソロ活動を展開するグループメンバーは多い。堀は個人として参加した複数の国際大会(2016年のレッドブルBC Oneワールド・ファイナルや、2013年のIBEスーパーソロバトルなど)で優勝を果たし、深見健太は米国でたびたびシルク・ド・ソレイユに出演している。
フジタはRuuとともにさまざまなアーティストの楽曲に振付を提供しつつ、家族が暮らす茨城県でダンススタジオを経営する。
「スタジオでは子どもたちにダンスを教えています。まったく違った形ですが、子どもたちの成長を見守るのは、とても素敵な体験です。どちらの仕事も楽しんでいます」と、彼女は語る。
「ですが、フュージョンでの活動はずっと夢見ていたことです。たくさんのビッグイベントを抱えているので、こちらを優先しています」と、彼女は補足した。
@ruufabulous 皆様今年もどうぞ宜しくお願い致します。💖✨ 年始からFABULOUS SISTERSで1ヶ月間お仕事の為Dubaiに来ています‼️ドバイから更新していきますね🐫🇦🇪
♬ オリジナル楽曲 – R U U – R U U
フュージョン・ジャパンは現在ドバイでのショーの成功に集中しているが、いずれは世界ツアーを実施したいと語る。「今は全力で踊ることに集中するだけです。未来はいずれ見えてくるでしょう」と、メンバーらは締めくくった。
グローバルビレッジでのフュージョン・ジャパンのパフォーマンス日程は以下の通り:
日曜・月曜・水曜・木曜:午後7時25分、午後8時40分