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国連特使、対シリア支援を要請

シリア南部の都市スワイダーで抗議デモを行う人々。2023年9月5日
シリア南部の都市スワイダーで抗議デモを行う人々。2023年9月5日
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11 Sep 2023 03:09:42 GMT9
11 Sep 2023 03:09:42 GMT9
  • シリアのバッシャール・アサド大統領が先月、公共部門の賃金と年金を倍増する決定をしたことで、インフレ率がさらに急上昇し、現在も続いている抗議デモが発生した

ダマスカス:国連シリア担当特使は、戦争で荒廃したシリアで経済危機が悪化する中、支援国に対し、シリア向け資金を減額しないよう要請した。

シリアのバッシャール・アサド大統領が先月、公共部門の賃金と年金を倍増する決定をしたことで、インフレ率がさらに急上昇し、ドゥルーズ派が多数を占める南部のスワイダー県とその近くのダルアー県を揺るがして現在も続いている抗議デモが発生した。

当初、深刻化する経済的困窮によって刺激された怒れる住民たちはその数を増し、アサド政権の転覆を求めるようになった。これは、全面的な内戦へと発展した2011年シリアの暴動と類似している。

国連は、体制の支配地域に暮らす住民の90%が貧困のうちに生活しており、シリアの人口の半数以上がその日の食糧の調達にも難儀していると推定している。

紛争が膠着状態に陥る中、シリア政権は失った領土の大部分を取り戻している。

国際的な支援の低下を背景として、国連機関は年来の予算削減を理由に支援プログラムを縮小している。

国連の推計によると、動乱から最初の10年で約30万人の市民が犠牲となり、紛争開始前の人口2,300万人のうち半数が避難民となった。

「シリア国内の状況は紛争が最高潮に達した時の経済状況よりさらに悪化している」とゲイル・ペダーセン国連シリア担当特使はダマスカスで、シリアのファイサル・メクダド外相との会談後に述べた。

「人道上の必要が増大する状況で、シリア向け資金の減額は受け入れがたい」とペダーセン氏は発言した。

長年、国連は反政府派の代表団とともにシリア政府の代表が憲法を改正することを含め、停滞するシリアにおける政治的解決のための協議を再開しようと努めてきた。

目下の経済危機とシリアのアラブ諸国との関係回復(これにより、シリアは抗議デモ参加者への残虐な弾圧を理由に2011年以来停止されていたアラブ連盟への参加資格を取り戻した)を背景に、政治的行き詰まりを打開する方策について新たに協議が行われている。

「シリアがこの危機の政治的帰結に対処しない限り、経済危機と人道上の苦難も続くだろう」とペダーセン氏は述べた。

一方、ロシアとイランはシリアとシリア北西部の反体制派を支援するトルコが関係を再構築するよう後押しをしている。

ペダーセン氏は、トルコ、ロシア、イランおよびアラブ各国政府の代表と会談を行い、個々の協議の進展を確認する予定だと述べた。

AP

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