



エジプト サッカラ発:エジプトの考古省は、土曜日、最近発見されたライオンの子2頭とワニ数匹、その他鳥や猫などを含む動物のミイラの詳細を公開した。
新しく発見されたミイラやその他アーティファクトは、発見場所である広大な古代埋葬地にほど近い、カイロの南、サッカラにある有名なジョセル王の階段ピラミッドの仮設展示館で公開された。
「私たちはここで数百にのぼる物体を発見しています。」と、カレード・エル・アナニ考古大臣は述べた。 「エジプト学の観点からすると、それらすべての出土品は、この時代についての理解をより深めるにあたって非常に興味深いものです。」
サッカラ台地には、第1王朝(紀元前2920年〜紀元前2770年)からコプト時代(395-642年)までの間に、数百もの当時の役人の墓と共に、階段ピラミッドを含む11基のピラミッドが建造された。
エジプト考古最高評議会のモスタファ・ワジリ事務局長は、記者団に対し、地元の考古学者たちが動物、鳥、ワニのミイラ数百体が収められていた隠し場所を発見したと語った。
同氏は、動物のミイラの中には、2頭のライオンの子が含まれており、他の3体のミイラもライオンである事を確認するには、レーダー・スキャンにかける必要があると述べている。
猫のミイラは、考古学者たちによって頻繁に発見されているが、ライオンのミイラの発見は稀である。 2004年にサッカラで初めてライオンの骨格が発見され、ライオンは古代エジプトで神聖な動物とされていたことが明らかになった。
また、考古学者たちは、古代エジプトの女神バステトを象徴する猫の木像と銅像、さらに、ワジリ氏が「世界最大」と評する珍しい大きな石でできた黄金虫も発見している。
他にも、麻布の包帯で包まれたイクニューモン、すなわちエジプトのマングースのミイラ2体と、ライオンの頭を持つ女神セクメトのすず釉が施された小さな木像が展示された。学者の話によれば、セクメト(紀元前1390年〜1252年)は戦争の女神であり、太陽神ラーの敵を駆逐していたとのことである。
また、ワニの尻尾を持つカバの姿をした女神タウエレトの絵が描かれたパピルスの小片も展示されている。
展示されているアーティファクトにつけられた印によれは、これらはエジプト末期王朝時代(紀元前664-332年)に遡る。
このサッカラでの発見は、2011年、長年独裁体制を施いてきたホスニー・ムバラク元大統領を失脚に追い込んだアラブの春に続く混乱で、打撃を受けたエジプトの主要産業である観光部門の復興を目指し、エジプト政府が宣伝活動に取り組んできた一連の新しい出土品の中で、最新のものとなる。
AP