

アミン・アッバス
ドバイ:日本人CG監督である安部保仁さんは最近、『リック・アンド・モーティ』の最新短編映像作品である『リック・アンド・モーティ The Great Yokai Battle of Akihabara』を手掛けた。
アラブニュース・ジャパンの特別取材に応じた株式会社YAMATOWORKS所属の安部氏は、最新短編作品での仕事について、「SOLA DIGITAL ARTSの代表者であるジョセフ・チョウ氏に話を持ち掛けられました。二つのプロジェクトを提示され、キャラクターが陽気で面白そうだと思ったこちらの作品を選びました」と語った。
また「元々私はこのアニメが大好きでしたので、CGIスーパーバイザー兼監督のポジションに立候補しました。アニメは全部見たことがあります。SFの要素が細部にたくさん見られるのがこのシリーズが大好きな理由です」と付け加えた。
キャラクターの会話の量が非常に多かったそうで、「リックとその仲間によく見られるボディランゲージを加えながら監督してカットを仕上げていくのは、楽しくもあり難しくもありました」
「顔の表情や目と口の動きには特に気をつけました。CGでは再現が難しい手描きの良さを損なうことなく、日本のアニメとは異なる独特の口の形と目の表情を具体化するために、チーム全体で試行錯誤しました」と語った。
『リック・アンド・モーティ』はすでに人気のある作品なので、日本のアニメ技術を組み入れるのに苦労したと安部さんは話す。
また「短い作品ですがディテールがたくさん盛り込まれています。展開は速いですがわかりやすい内容ですので、難しいことは考えずに大波乱のストーリを楽しんでください」と付け足した。
安部さんによると、この短編作品に対するユーチューブのコメントを見る限り海外からの評判は上々だそうだ。
「日本の『リック・アンド・モーティ』のコアなファンも高く評価してくださっているのがとてもうれしいです」とアラブニュース・ジャパンに話してくれた。
「日本の手描きアニメへの敬意を抱きつつ、3DCGでキャラクターアニメの熟達に精進する」という思いで、株式会社YAMATOWORKSは2012年に設立された。
株式会社YAMATOWORKSが他のアニメ制作会社と異なる点について安部さんは「数ある3DCGの制作会社の中で、私たちは日本の伝統的な手描きの手法を取り入れていることに誇りを持っています。会社の代表者自身も手描きアニメの監督です。CGの枠にとらわれず、会社全体で様々な表現方法に挑戦しています」と語った。
CG監督である安部保仁さんが『リック・アンド・モーティ』の最新短編作品の制作秘話を語ってくれた。