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「夢のよう」:アート系ユーチューバーとして支持を集める日本のおじいちゃん

2022年5月25日撮影。千葉県いすみ市の神社で携帯電話を使って動画を撮影しながら水彩画を描く日本人アート講師の柴崎春通さん。(AFP)
2022年5月25日撮影。千葉県いすみ市の神社で携帯電話を使って動画を撮影しながら水彩画を描く日本人アート講師の柴崎春通さん。(AFP)
2022年5月25日撮影。千葉県いすみ市の神社で完成した水彩画とともにポーズをとる日本人アート講師の柴崎春通さん。(AFP)
2022年5月25日撮影。千葉県いすみ市の神社で完成した水彩画とともにポーズをとる日本人アート講師の柴崎春通さん。(AFP)
2022年5月25日撮影。千葉県いすみ市の神社で携帯電話を使って動画を撮影しながら水彩画を描く日本人アート講師の柴崎春通さん。(AFP)
2022年5月25日撮影。千葉県いすみ市の神社で携帯電話を使って動画を撮影しながら水彩画を描く日本人アート講師の柴崎春通さん。(AFP)
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07 Jul 2022 01:07:54 GMT9
07 Jul 2022 01:07:54 GMT9

いすみ市(日本):柴崎春通さんは70歳を目前にして、日本の田舎にある静かな自宅からYouTubeのアート講座を作り始めた。それから5年、彼のチャンネル登録者数は140万人となっている。

多くの人気ユーチューバーの注目を集める悪ふざけとは異なり、彼は穏やかで落ち着いた態度で人々の心をつかんでおり、ファンからは「温かく平穏な」気持ちになれると言われている。

絵画やスケッチのテクニックを実演で紹介する動画に英語の字幕が付いているおかげで、世界中にファンを得ており、動画には時折、孫たちや2匹の猫が登場する。

「こんにちは。柴崎です。皆さんお元気ですか」。白髪頭に眼鏡をかけて口ひげを生やしたアート講師は日本語でこう言い、一旦止まって笑顔で手を振る。

74歳の柴崎さんは自身のチャンネル「Watercolor by Shibasaki(柴崎春通の水彩画)」の撮影を三脚、照明、スマートフォン、デジタル一眼レフカメラを使って、全て自分で行う。

Instagram、TikTok 、Twitterも使用しており、世界と直接つながっていることが「夢のよう」だと言う。

「子供の頃は家にテレビさえありませんでした」と、柴崎さんは東京に近い千葉県の田舎の、鳥のさえずりが響く自宅付近でAFPに語った。

「私の世代の人間としては、こんな時代が来るとは思っていませんでした」

彼の動画の内容は桜の花の描き方から、自宅の庭で採れたタケノコを使った料理などの日常の一場面まで、多岐にわたる。

多くの成功しているユーチューバーと同様に、彼の動画にはバナーや動画広告が付いており、熱心なファンはライブ配信中に投げ銭を送ったり、料金を払って会員限定の動画を視聴したりすることができる。

最初にYouTubeへの投稿を勧めたのは柴崎さんの息子だった。それは講師として数十年の経験を持つ彼が世界中の視聴者に知られるチャンスだった。

「私は教えるのが好きで、皆さんとおしゃべりをするのも好きです。5時間でも6時間でも話していられます!」と柴崎さんは語る。

パンデミックの最悪の日々に、柴崎さんのチャンネル登録者数は急増した。

2020年4月のある動画で、彼は輪郭が不鮮明なフワフワの猫の描き方を視聴者に教え、一緒に描くことで家にこもっている皆の気が晴れることを願っていると述べた。

さまざまな言語で書かれた多数のコメントがこの動画を「穏やかで癒される」と評している。柴崎さんの「優しい」声によって「温かく平穏な」な気持ちになれるという。

「視聴者の皆さんは私の声がとてもいいと言いますが、自分では何故なのか分かりません」と言って、彼は笑った。

人々は彼に、ゆっくりでくつろいだ話し方のおかげで安心できると言い、中には心臓の手術を6回経験した柴崎さんを、人生相談に適任だと考える人もいる。

健康上の不安があるため「死を具体的にイメージするようになった」と彼は語る。それは、人々が彼に打ち明ける悩みを「本当に理解」できるということだ。

柴崎さんは幼い頃から絵を描くのが大好きだったが、千葉で農家を営む一家の一人息子である自分は、両親から土地を継ぐよう頼まれるだろうと考えていた。

しかし、18歳の時に東京に出てアートを勉強したいという願いを抑えきれず、仕事に精を出す両親のもとへ駆けつけて、許可を求めた。

「田んぼの中で両親は私を振り返り、行くべきだと言いました。そのことをとても感謝しています」

その後柴崎さんは美術教師になり、彼の動画と同じように、分かりやすいアドバイスができるように努力した。

「絵を描くのは楽しいです」と彼は語る。「完璧を目指す自分自身との闘いです。面白くて、達成感が得られます」

柴崎さんはできる限り長く絵を描き続けたいと考えている。アーティストが歳を取ると「目が悪くなり、手が震える」と、彼は言う。

「私はもうすぐ75歳になりますから、まともに描けるのはあと5年ほどでしょう。しかし、その間に絵を残せるなら、それこそが私のしたいことです」

AFP

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