ジュマナ・カミス、ドバイ
アニメは、中東では長い間、昼間のテレビとコミックの定番であった。 最近、日本に関連する手描きとコンピューターのアニメーションは、多くのアラブ人にとって、幼少期の記憶の一部とされる。
「Al Mohakek Konan(名探偵コナン)」、「Grendizer(グレンダイザー)」、「Pokemon(ポケモン)」などのアニメシリーズはアラビア語に吹き替えられ、早くも1980年代から、アラブのテレビチャンネルで放映された。
昨年11月、日本のアニメーション製品は、サウジアラビアで2019年11月に開催されたリヤドシーズン初のアニメエキスポで最高位を与えられた。
このイベントは、中東で開催されたこの種の最大のコンベンションとされ、サウジアラビアの長年のアニメファンにとって、日本の全てに触れながら、好きなキャラクターと一緒に写真を撮る機会となった。
イベントには、各人気番組に特化したアニメブースから、有名な日本のプロデューサーや監督による音楽の演奏やトークまで、すべてが含まれた。
王国でのアニメの人気は、アラブ人が日本をどのように見ているかについて、湾岸協力会議(GCC)、レバントおよび北アフリカ地域でアラブニュースが実施したYouGovの調査においてさらに反映された。
アラブ18か国の3,033人を調査したこの調査では、サウジアラビアの回答者の72%が「キャプテンマジェッド」を歴代のお気に入りアニメ番組と評価した。
日本で「キャプテン翼」として知られる長年のシリーズは、サッカーに深い情熱を持つ11歳の生徒を中心に展開する。
マジェッドは日本でのFIFAワールドカップ優勝まで夢を追い続け、視聴者をライバル関係、友情、才能の旅へと誘う。
次いでは「グレンダイザー」が、サウジアラビアランキングの42%を占めて2位、3位が「ポケモン」(37%)であった。
1975年に日本のマンガ家である永井豪氏によって制作された「グレンダイザー」は、当時視聴できる数少ない完全吹替のアニメの1つとして1980年代にレバノンのチャンネルTele Liban(テレ・リバン)で最初に放映された。
このシリーズは、スペイザーという宇宙船だけ備えたロボットの物語で、ベガ帝国から逃げて太陽系に入り、日本の富士山の斜面に着陸し、悪の勢力と戦い、地球を守る。
アラブ地域で有名なアニメのヒーローは、長編映画に再び登場する可能性がる。作者の永井氏は、以前アラブニュースとの独占インタビューでグレンダイザーの映画化のアイデアを持ち出した。
16〜24歳の若い世代のアラブのアニメファンの間では、「ドラゴンボール」がよく視聴されていたが(59%)、より高年齢層の間ではあまり人気がなかった。
STARZPLAY(スターツプレイ)のCEO兼創設者であるマアズ・シェイク氏によると、「現実逃避」という要素は、アラブ世界でのアニメーションメディアが強い存在感を示す大きな要因である。
「これは、コミックシリーズで確立された個性と、もともと日本の漫画コミックから派生した比類のないスタイルのアニメーションとを融合し、ファンを逃避させるその独自な世界を作り出します。」と彼はアラブニュースのインタビューで述べた。
アニメの熱狂的ファンであるオマール・アル・オタイビ氏にとって、幼少期を通して「ナルト」、「Bleach(ブリーチ)」、「FMA」などの番組を見たことで、多くの幸せな思い出が残っている。
「アニメは、良いストーリー、優れたキャラクターデザイン、素晴らしいボイスキャスティングおよび誰もが次週のエピソードが放送されるのを待って息をのむような瞬間を含むフルパッケージです。」と彼は語った。
アル・オタイビ氏は、王国で一番人気のアニメ「キャプテン・マジェッド」にコメントして、「主人公のマジェッドは当時のサウジ代表チームのキャプテンにちなんで名付けられました。」と指摘した。
この番組は、2019年12月に初めてMBCで日本語で放送された。
「今まで以上にコミュニティが大きくなっているのを知り、アラブ世界のアニメの未来について非常に前向きに感じます。」と彼は語った。
サウジ政府はエンターテイメントに重点を置いているため、新しい世代間でアニメーションメディアの大幅な成長が期待される。