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テレビゲームの中心地である日本が依存症の問題に直面

2022年9月15日に撮影されたこの資料写真の中では、千葉県で開催された東京ゲームショウの来場者たちが、テレビゲームをプレイしている。(AFP通信)
2022年9月15日に撮影されたこの資料写真の中では、千葉県で開催された東京ゲームショウの来場者たちが、テレビゲームをプレイしている。(AFP通信)
2022年6月7日に撮影されたこの写真は、ゲーム依存症の防止に関するセミナーを開催するグループと協力している石徹白未亜氏が、AFP通信のインタビュー中に話している姿を収めたものだ。(AFP通信)
2022年6月7日に撮影されたこの写真は、ゲーム依存症の防止に関するセミナーを開催するグループと協力している石徹白未亜氏が、AFP通信のインタビュー中に話している姿を収めたものだ。(AFP通信)
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14 Dec 2022 04:12:35 GMT9
14 Dec 2022 04:12:35 GMT9

東京:スーパーマリオからファイナルファンタジーまで、日本は長らくゲームの代名詞となってきたが、一部の専門家や保護者は、増加する依存症の問題が対処されないままであることを懸念している。

近年、中国や韓国などの近隣諸国は、若者のゲームに徹底的な制限を課している。その結果はさまざまだが、一方、一部の日本の家庭は、自分たちの力で問題に対処する必要があると感じている。

毎月、あるグループが東京に集まり、子供たちのゲーム依存に対処するための情報や対策を話し合っている。

ある父親は「私の唯一の慰めは、夜の間はオフラインでいるという約束を息子が守っていることです」と語り、別の父親は、子供がリハビリのデイキャンプに参加していることを打ち明けた。

同グループの創設者である黒田沙希子氏によると、昨今、日本の子供たちは小学校に入って早い段階でテレビゲームをプレイし始めており、パンデミック下の外出制限により、多くの子供がより長くプレイするようになっているという。

多くの保護者はこの問題に対処する方法を知らない。2019年に非公式な集まりとして同グループを立ち上げた黒田氏によると、「政府とゲーム業界からのアクションが不足している」のだという。

「日本ではこういった自助の集まりは珍しいので、全国から参加者が集まります」

世界保健機関(WHO)は「ゲーム障害」を、人間関係、教育、仕事などの分野で「重大な支障」を生じさせる、少なくとも1年以上続く行動であると説明している。

ゲームはソーシャルメディアの使用などの別のオンライン活動とも部分的に重なる場合があるため、問題を定量化することは困難だ。しかし、医師からの事例証拠は、特にパンデミック以降、より多くの日本の家庭がゲームの問題に悩まされていることを示している。

文部科学省の2022年4月の調査では、6歳から12歳の子供の17%が、1日4時間を超える時間をゲームに費やしていることが明らかになった。2017年の9%から増加しており、さらに、12歳から15歳の子供にも同様の急激な増加が見られた。

ゲーム依存症の防止に関するセミナーを開催するグループと協力している石徹白未亜氏は、「ゲームには仮想通貨や絶えず更新されるアプリなど、人々を継続的なプレイに誘うための、巧妙なシステムが存在します」と語る。

「子供が一晩中ゲームをして疲れて学校に行けない、という保護者からの相談はますます増えています」

中国は2022年11月、顔認識ソフトウェアとID登録を通じて、子供たちがオンラインゲームをプレイできる時間を、週につき特定の3時間までに制限することによって、若者のゲーム依存の問題を「解決した」と発表した。

一方、韓国は2021年に、午前0時から同6時までの間、16歳未満の子供にパソコン向けのオンラインゲームのプレイを禁じていた禁止令を解除した。この禁止令は同国内のメディアから、時代遅れで効果が無いという烙印を押されていた。

日本には同様のルールは存在せず、盛んな論争の的となった、18歳未満の子供の平日1時間を超えるゲームプレイを禁止する2020年の地方条例でさえも、強制的な仕組みを持たなかった。

保護者や専門家の指摘によると、新型コロナウイルス関連のストレスやいじめなど、他の問題が原因で、ゲームが子供の強迫行動につながる可能性があるという。

ある13歳の少女の母親は、AFP通信の取材に対し、娘が学校で苦しんでいた時に、テレビゲームが「生命線」になっていた、と語る。

彼女が娘のタブレットを取り上げようとした時、当時10歳だった娘は、「これを奪われたら、死にたくなる」と答えた。

「娘がそんなことを言うなんてショックでした」と母は語っている。

ゲーム依存症を経験した他の人々も、何かに苦しんでいた時期に、ゲームは生命線になっていたと語る。

現在46歳のソーシャルワーカーであるマスダ・タカヒサ氏は、いじめられていた中学生の時にゲームに夢中になり、その逃避行動によって命を救われたと考えている。

マスダ氏はAFP通信の取材に対し、「自殺することも考えましたが、ドラゴンクエストをクリアしたかったのです」と語っている。

ゲームをクリアした頃に、彼はいじめっ子に立ち向かう勇気が湧き、勉強に専念して、最終的にゲーム業界で働くという目標を実現した。

そのため、保護者はゲームを禁止したり、デバイスを取り上げたりする傾向があるが、医師であり、久里浜医療センターの院長である樋口進氏は、代わりに子供たちに根本的な問題に対処するためのカウンセリングを提供している。

樋口氏のクリニックは、芸術、料理、スポーツまで、オフラインでの活動も提供している。患者が他の趣味や社会的状況に向かうことを目的としたものだ。

樋口氏は、まず第一に、政府やゲーム業界に、子供たちを依存症にさせない努力を求めている。

「ゲームやオンラインのツールについての議論には、バランスが必要です」と樋口氏は語る。

「しかし現時点では、ネガティブな側面を抑えるための対策は、ゲームの宣伝に比べれば取るに足らないものに思えます」

AFP

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