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Netflix、人気漫画の実写版「ワンピース」を制作中

2023年3月5日日曜日、東京で「ワンピース」のお気に入りのキャラクターのグッズと一緒に写真に写る早稲田大学のジェンダー・政治研究者、ニナ・オイキ氏。(AP)
2023年3月5日日曜日、東京で「ワンピース」のお気に入りのキャラクターのグッズと一緒に写真に写る早稲田大学のジェンダー・政治研究者、ニナ・オイキ氏。(AP)
2023年2月25日に東京の明治神宮で「ブレードランナー」に関する本を手に持つ日本のポップカルチャーの専門家であるローランド・ケルツ氏。(AP)
2023年2月25日に東京の明治神宮で「ブレードランナー」に関する本を手に持つ日本のポップカルチャーの専門家であるローランド・ケルツ氏。(AP)
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07 Mar 2023 01:03:13 GMT9
07 Mar 2023 01:03:13 GMT9

東京:日本の大ヒット漫画「ワンピース」が実写シリーズとしてNetflixに登場する。ますます増えるハリウッド実写化で成功とは言い難い状況を目にしてきたファンにとっては、楽しみでもあり心配でもある展開だ。

仲間思いの若い海賊、モンキー・D・ルフィの成長と冒険の物語を描く世界的ベストセラー長編漫画である「ワンピース」は、すでに900話以上のTVアニメとしてシリーズ化されている。また、これまでに13作品の劇場版が公開され、ゲームやグッズも多数発売されている。

小学生の頃から「ワンピース」のファンだったという早稲田大学のジェンダー・政治研究者、ニナ・オイキ氏が、意見を語ってくれた。オイキ氏は1997年に「週刊少年ジャンプ」で連載が開始された当時から尾田栄一郎氏が描く本作を読み、その後すぐに放映が開始されたアニメ版も見ていたという。

「ハリウッドでのリメイクを心配する声があることは知っています」と彼女は述べ、過去のハリウッドによる日本の漫画やアニメ作品のリメイクが期待外れに終わることもあったことを指摘した。

人を殺すことができるノートをめぐる漫画・アニメ作品である「デスノート」の実写版である2017年のNetflix映画は、失敗作として広く批判された。2021年12月には、Netflixはスペース・ウエスタンをテーマにした漫画とアニメの実写版である「カウボーイビバップ」をわずか1シーズンで打ち切りにした。

ハリウッドと日本は何十年も前から相互に影響を及ぼしてきた。リドリー・スコット監督の1982年のSF映画「ブレードランナー」には、スクリーンに映し出される芸者の姿など、日本への言及が多く見られる。

この映画は、アニメに影響を及ぼし、2021年に放映されたアニメ「ブレードランナー:ブラックロータス」にも影響を与えた。

日本のポップカルチャーの専門家であるローランド・ケルツ氏は、 Netflixのようなプラットフォームでのストリーミング配信がエンターテインメントのボーダレス化に貢献していることもあり、「アニメにとって素晴らしい瞬間」が訪れていると述べている。

年内の配信開始が予定されている実写版「ワンピース」は、同じく「週刊少年ジャンプ」作品で、映画化・アニメ化され、Netflixによる配信で世界的な成功を収めた漫画「鬼滅の刃」に続いての登場となる。

2月には、株式会社ポケモンが、Netflixと共同制作したストップモーション・アニメ「ポケモンコンシェルジュ」を発表した。2021年のStatistaのレポートによると、ポケモンは世界で最も価値のあるメディア・フランチャイズであり、総売上高は1000億ドルにのぼると推定されている。メディア・フランチャイズ総収益のランキングでポケモンに続く2位はハローキティであり、これら2つの日本作品は、ミッキーマウス、くまのプーさん、スターウォーズなどの西洋の作品を上回っている。新海誠監督の入れ替わりをテーマにした2016年のアニメ映画「君の名は。」や、1979年に始まった巨大ロボットの「ガンダム」シリーズなど、他の日本の人気作品のハリウッド実写化も進行中だ。

アニメは実写映画に比べて制作コストが低く、CGのヒーローは、病気になったり、怪我をしたり、実際の俳優が時々するような画面外での不快な発言をしたりしないため、市場性のあるメディアだと、日本のポップカルチャーが米国に与えた影響を記録した「ジャパンアメリカ(Japanamerica)」の著者であるケルツ氏は言う。

「彼らは定型化された無国籍のキャラクターです。私が言いたいのは、アニメのキャラクターは世界中を飛び回ることができるということです」とケルツ氏は話す。「人間の有名人は、必ずしもそうではありません」

ベストセラーの場合、ファン層が厚いという利点がある反面、厳しい目が向けられる。「攻殻機動隊」のように、アジアが舞台の原作を「ホワイトウォッシュ」したことで批判されているものもある。1995年のアニメ映画は、白人のアメリカ人俳優スカーレット・ヨハンソン氏を主人公に起用したことへの不満の声が上がる中、2017年にハリウッド実写化されたが、アジアはこの議論にほとんど関与しなかった。

実写版「ワンピース」では、メキシコ人俳優のイニャキ・ゴドイ氏(「インパーフェクト」等に出演)が国籍は謎のルフィ、アメリカ人俳優のエミリー・ラッド氏(「ロマノフ家の末裔 ~それぞれの人生~」等に出演)がナミ、日系アメリカ人俳優の新田真剣佑氏(「鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー」、「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」等に出演)がロロノア・ゾロを演じる。

主人公の包容力のある人格が、物語を通して冒険の仲間をどんどん引き寄せていく様子は、現代社会で人々が求めるような学校、オフィス、または職場などの環境を浮き彫りにしていると原作ファンのオイキ氏は言う。

「ルフィは私たち全員が望むリーダーなのです」と彼女は話す。「ルフィはヒーローですが、並外れたヒーローではありません。彼は私たちの一人なのです。彼は海賊王になりたいと思っていますが、それは支配者になるためではなく、みんなが自由になれるようにするためです」
AP

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