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ポール・ウイリアムズ:日本のアニメーションに大いなる情熱を注ぐアニメーター

ポール・ウイリアムズ氏は、映画『レッドタートル ある島の物語』ほか、『アトム ザ・ビギニング』、『ポケモン:トワイライトウイングス』、『ネト充のススメ』といった日本のアニメーションプロジェクトに携わってきた。
ポール・ウイリアムズ氏は、映画『レッドタートル ある島の物語』ほか、『アトム ザ・ビギニング』、『ポケモン:トワイライトウイングス』、『ネト充のススメ』といった日本のアニメーションプロジェクトに携わってきた。
ポール・ウイリアムズ氏は、映画『レッドタートル ある島の物語』ほか、『アトム ザ・ビギニング』、『ポケモン:トワイライトウイングス』、『ネト充のススメ』といった日本のアニメーションプロジェクトに携わってきた。
ポール・ウイリアムズ氏は、映画『レッドタートル ある島の物語』ほか、『アトム ザ・ビギニング』、『ポケモン:トワイライトウイングス』、『ネト充のススメ』といった日本のアニメーションプロジェクトに携わってきた。
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19 May 2023 09:05:06 GMT9
19 May 2023 09:05:06 GMT9

アミン・アッバス

ポール・ウイリアムズ氏は英国人アニメーターで、20年近く前にアニメーションの制作に取り組み始め、『クロース』(2019年)、『イリュージョニスト』(2010年)、『レッドタートル ある島の物語』(2016年)など、ヨーロッパの主要なアニメーションプロジェクトほか、『アトム ザ・ビギニング』(2017年)、『ポケモン:トワイライトウイングス』(2020年)、『ネト充のススメ』(2017年)といった日本のアニメーションプロジェクトに携わってきた。

数年前に日本に拠点を移したウイリアムズ氏は、それ以来さまざまなアニメーションプロジェクトに取り組んでいる。

ウイリアムズ氏は、アラブニュース・ジャパンに対し、アニメーションとの関わりにおける転機について、次のように語ってくれた。「バルセロナで自分にとって初めての映画となる『アステリクスとバイキング達』の制作に取り組んでいた頃、『となりのトトロ』を観て、私のアニメへの道は開かれました。同僚の多くがジブリファンでした。そして、私は当時なんとかこの映画の前半を観ることができました。」

「残念ながら、忙しすぎて映画の後半は『レッドタートル ある島の物語』の制作が終わるまで観ることができませんでした。そしてその後、私は高畑勲監督の作品に夢中になり、ついにアニメーションの可能性を垣間見ることができる映画に出会いました」と彼は付け加えた。

アニメーション業界に進むきっかけとなった人物について尋ねると、ウイリアムズさんは、「フランク・トーマスさんとオリー・ジョンストンさんでしょうね。彼らは本当に2人でセットでした。大学の最終学年で短編映画を制作する際に、光栄にも彼らとやり取りする機会があり、それは素晴らしい経験でしたし、アニメーターになるという夢が現実的なものになったのはその時だったと思います」と語った。

次に、アニメーション業界におけるキャリアの確立について質問すると、「私は2003年にこの業界に入り、日本にやって来る前にヨーロッパの大部分、オーストラリア、ニュージーランド、カナダを渡り歩いてきました。アニメーションを1つのコンセプトに要約するとしたら、私たちは素晴らしいストーリーを楽しむために映画を観るわけですから、キャラクターの大事な瞬間を見つけて、観客がそのキャラクターに感情移入するような形で表現することは、私にとってとても意味のあることです。私たちは本当に素晴らしいキャラクターに共感します。」とウイリアムズ氏は語った。

そして、「私の最初のプロジェクトは『ミス・サイゴン』に出てくるジェラルド・スカーフのアニメーションシーケンスの短編作品で、ディズニーのベテランアニメーターであるリチャード・ベイズリーさんと一緒の仕事でした。ご想像のとおり、それは素晴らしい学びの機会となりました」と付け加えた。

キャリアの中で直面した難題の話では、ウイリアムズ氏は、「良い意味で、新しいスタイルの動きに適応し、作品内のキャラクターをアニメーション化して理解し、シーンに対する監督の要望に応えるといったことでしょうか。しかし、ここ数年のことを思い返してみると、ヨーロッパのアニメーターの役割は当初とは変化しており、シーンがより固定されるようになり、アシスタントは最終ラインアーティストへと進化しました。作品によって異なりますが、1つのシーンにおいて、アニメーターとその次に作業する人との間に直接的なつながりがあることはほとんどありません。そして、アニメーターが持っている知識が、次の世代に受け継がれないことがあると思います。この点では、古い見習い制度の方がはるかに優れていました」と話した。

日本と欧米のアニメーションスタイルと制作環境の違いについて、ウイリアムズ氏は次のような意見を述べている。「長編映画レベルのアニメーションのスタイルは、ヨーロッパではキャラクターの動きがより繊細で、アメリカではよりドラマチックです。しかし、日本では動きはそれほど尊重されておらず、文化的に比較すると動きはかなり抑制されていることが多いため、むしろアニメーターが誇りに思っているのは作画ショットです。これはキャラクターの泣き方を見てもわかりますが、日本式、アメリカ式、ヨーロッパ式の違いは視覚的にとても劇的なものです。そして、これは性格俳優が認識しなければならないようなことです。」

さらに、これまでで一番仕事が楽しかったアニメプロジェクトについて尋ねると、ウイリアムズ氏は、「イアリン社向けに安彦良和さんと一緒に仕事をした、日本のコマーシャルですね。私は彼の描画テクニックを複製し、原画から中割りまで彼のレイアウトに従わなければなりませんでした。彼の仕事のやり方やその素晴らしい才能に触れるのは、とても勉強になり、光栄なことでした。多くのことを学び、飛躍することができるプロジェクトがありますが、まさにそれだったと思います」と語った。

続いて、これまでで一緒に仕事をするのが一番楽しく、アニメーション業界で生き抜く貴重なヒントやコツを教えてくれたアニメーション監督について聞くと、「『イリュージョニスト』のクリンナップを監督したジョン・ウォルシュさんでしょうか。彼は現在カートゥーン・サルーンで働いていますが、ヨーロッパで最高のクリンナップ監督です。あのプロジェクトでは、描画テクニックの繊細さやスキンとファブリックの違い、さらには、アニメ自体ではわかりませんが、線を一本一本描くときの違いについて学んだのを覚えています。あの映画は私にとって、知識という点で大きな進歩のように感じられたので、ウォルシュさんの名前を挙げます」と、彼は話した。

そして、「アニメーション監督でなくても、人の話に耳を傾けていれば、業界のあらゆる人から特別なことやキャリアを変えるようなことを学ぶことができると思います」と付け加えた。

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