
主要な世界の経済大国は一致団結してGoogleやAmazon、Facebookなどのグローバルデジタル大企業による攻撃的な「税の活用」に対処していかなければならないとG20関係者らが土曜日に声明を出した。
経済協力開発機構(OECD)はデジタル企業に子会社を登録している地域ではなく事業を行っている地域で納税させる世界規模のルール作りを行っている。
OECDによれば、これにより国家の税収は年に合計で1000億ドルの増加が見込めるという。
一致団結への呼びかけは主として最大のテック企業諸社がある米国に向けられている。11月の米国大統領選挙後までルール作りが先延ばしされることを防ぐのが狙いだ。
「選挙を待つ時間はない」と独財務相オーラフ・ショルツはG20財務大臣・中央銀行総裁会議に伴って開かれた税のセミナーで語った。
「特定の国々のリーダーシップが必要だ」とショルツ財務相はセミナーで隣に座っていた米国の財務長官スティーブン・ムニューシンを真っ直ぐに見ながら述べた。
デジタル企業への課税およびコロナウイルスのアウトブレイクが及ぼすグローバル経済への影響は、今週リャドで会談した世界20カ国の経済大国のG20財務指導者らが熱心に議論したテーマに含まれている。
OECDはテック企業への最小課税水準の設定を望んでおり、7月初めまでに合意を結び、年末までにはG20の承認を得ることを模索している。
「協調した上での解決策は必ずしも前進のための最善策ではないが、現在取りうる選択肢の中では、唯一前進可能なやり方だ」とOECD事務総長のアンヘル・グリアはセミナーで語った。
だが
だがOECDの取り組みは米国政府の土壇場での変更の要求によって昨年後半から停滞している。米国の行動について多くのG20関係者は、大統領選挙前に政治的に微妙な問題となりかねない協定を結ぶことを避けたがっているのだと見ている。
ムニューシンはOECD諸国は最小課税水準に関する合意に近づいていると述べ、このことは納税すべき地域という問題の解決に大いに役立つだろうとしている。
「私たち全員がこの件を年末までに終えることを望んでいると思う。それこそが目標だ」とムニューシンはセミナーで語った。
ムニューシンはG20の代表者たちの懸念を解くために、この税制改革の取り組みに「セーフハーバー」制度を追加しようという、フランスなどの国々から批判を集めている米国による提案は、企業に対して単に納税を免れさせることにはつながらないと語った。
「これは任意の税ではない」とムニューシンは語った。「他の地域に納税するかわりにセーフハーバーに納税する。税の確実性があるとわかれば、人々はセーフハーバーでもう少し多く納税をするかもしれない。」米国当局者によれば、この提案は多国籍企業に対し、租税に関する紛争の解決策を増やすという特典および行政上の救済を与えるのと引き換えに、外国への税をより多く支払うという選択肢を与えるものだという。だが依然として多くの疑問が残っている。
フランスの経済・財務相ブリュノ・ル・メールは記者団に対し、依然として米国の提案がもたらすものは不透明だと語った。
「米国案が実際に何を意味しているかを評価している段階だ」とル・メールは述べ、さらに「米国案はフランス政府にとっては見込みのない案ではない。この新しい提案にあらゆる関心を向けることは公正であり有益なことだ」と付け加えた。
欧州連合の経済担当委員であるパオロ・ジェンティローニはロイターに対し、今後も相当な努力が必要だと語った。
「解決策を見出すとの約束があるのは良いことだが、…これは解決策とはならない」とジェンティローニは述べ、土曜日遅くに二国間協議をするためにムニューシンに会う予定だと付け加えた。
ショルツは記者団に対し、ドイツは依然として懐疑的であると語った。「納める税を企業に選ばせることから始めるべきではないと考えている。そんなことをしても意味はない」と彼は述べた。
フランス、スペイン、オーストリア、イタリア、イギリス、ハンガリーなどの複数のヨーロッパ諸国は既にデジタル課税の計画を有しているか、計画の作業段階にあるため、非常に分断されたグローバル税制がもたらされるリスクが発生している。
「グローバル経済においては他の国々の税制と互いに異なる国の税制を有することはできない」とムニューシンは述べた。
Facebookの最高経営責任者マーク・ザッカーバーグは2月14日に、ヨーロッパでより多くの税を支払う用意があり、課税を均等にするOECDのグローバルな解決策を歓迎すると述べた
ロイター