
東京:10月23日、日本の岸田文雄総理大臣は、インフレで打撃を受けている家計向けの所得税減税と投資を促進するための企業向け減税を含む大胆な経済的施策の準備をしていると述べた。低下する支持率のテコ入れを目指す動きと見られる。
議会の新会期に際して行った所信表明演説の中で岸田氏は、低コスト・低賃金・コストカット経済から脱却して、持続的な賃上げと積極的投資による成長に支えられた経済へと移行する時だと述べた。
「これまでにない大胆な施策を取る」と岸田氏は述べ、約3年で供給力を強化するために集中的取り組みを行うと誓った。
岸田首相は国民が賃金上昇を上回るスピードで進む食料、光熱費その他のコストの急上昇による影響を乗り切れるよう、所得税減税で支援する決意を表明した。また、賃上げ、投資、最適化を促進するための税制上の優遇措置を企業向けに導入すると言明した。
これまで、岸田首相は減税に消極的であると考えられてきた。その理由として、日本政府が計画通りに5年以内に防衛予算を倍増させるための財源を見つける必要があることに加え、少子化と急速な人口減少の影響に対処するべく努めていることがある。
岸田氏が減税を約束したことを野党指導者は選挙対策であるとして批判しているが、これはこの案が明らかになったタイミングが、解散総選挙が行われた場合の結果を予測する試金石となる2つの選挙の直前であったためである。
22日に行われた選挙で、与党自由民主党は長崎の選挙区で議会の議席を確保したものの、徳島・高知選挙区では最大野党である立憲民主党が支援する候補に敗れた。
減税案は、今月末に岸田氏が発表を予定している新たな景気刺激策の一部となる見通しである。
外交に関しては、岸田氏は演説の中でロシアによるウクライナ侵攻や最近のイスラエル・パレスチナ紛争といった深刻な出来事を念頭に、日本の軍事力を強化する必要性を繰り返した。
岸田首相はさらに、中国に対して日本産海産物の禁輸措置を解除するよう求めた。禁輸は今年8月、津波の被害を受けた福島第一原発から海中への処理済み放射性排水の放出が始まって以来行われている。
政府は日本の水産業界が中国への依存度のより低い新たな市場を開拓する取り組みを行っていると岸田氏は述べた。
AP