• 韓国は2027年までに世界第4位の武器輸出国になることを目指している

ブライアン・キム

ソウル：武器輸出市場におけるシェア拡大を目指す韓国の国防調達計画局は、サウジアラビアと韓国が防衛協力拡大のための予備合意に署名した事を発表した。

サウジアラビア国防相と韓国の国防調達計画局（DAPA）は、2月3日、リヤドで開催された世界防衛ショーの際に、基本合意書に署名した。

DAPAは声明で、この協定は防衛産業と技術における協力態勢を確立し、兵器システムの研究と生産を実施するための合同委員会の設立を目指していると述べた。

「この基本合意書は、二国家間関係を未来志向の戦略的なパートナーシップへと前進させるにあたっての礎になるものです」と、オム・ドンファンDAPA長官は述べた。

「この合意が二国間関係のさらなる発展に貢献し、防衛協力のための…より多くの機会を創出することを希望しています」

韓国は、2027年までに世界第4位の武器輸出国になることを目指し、「防衛関連輸出市場の多様化」に目を向けていると、サウジアラビアのハリード・ビン・サルマン国防相と共に覚書の署名に立ち会った韓国のシン・ウォンシク国防相はリヤド展示会を取材中の記者たちに語った。

「韓国は、武器の輸出というだけではなく、より広範な防衛協力の観点から、サウジアラビと長期的なパートナーシップを構築し、双方にとって有益となる状況の実現を図る所存です」と、シン国防相は語った。

韓国国防相は、シン国防相はリヤド滞在中にサウジアラビア国家警備隊のアブドゥラー・ビン・バンダル大臣とも会談を行い、軍事協力強化の方策について話し合ったとの声明を発表した。

韓国は、ロシアのウクライナ戦争を契機として、世界有数の防衛関連製品のサプライヤーとして浮上した。北朝鮮との紛争の脅威への備えを数十年にわたって継続した結果、韓国は、迅速かつ効率的に武器システムを提供可能な少数の国々の1つとなったのである。

韓国の武器輸出は、2022年に急増し、それまでの最大輸出額だった前年の72億5,000万ドルをはるかに上回る170億ドルに達した。ストックホルム国際平和研究所によると、韓国は、この躍進により、2000年の世界第31位から上昇して世界第9位の武器輸出大国となった。

「ロシアのウクライナ侵攻により、高い技術力優れた価格競争力を有する韓国製兵器システムの需要は確実に押し上げられています」と、月刊誌ディフェンス・タイムズの発行人で軍事アナリストのアン・スンボム氏はアラブニュースに語った。

「それでもやはり、韓国は、世界の他の先進的な武器輸出国との厳しい競争に直面しており、国際的な拠点の拡大のために新たな防衛市場の開拓に懸命なのです」と、スンボム氏は語った。「その点、防衛産業における協力を強く求めているサウジアラビアは、潜在的に最善の防衛協力上のパートナーと成り得るというわけです」

韓国は、技術移転や協力措置において寛大な姿勢を取っているため、既製の武器製品を購入するのではなくむしろ「自律した防衛力の構築」を目指しているサウジアラビアのような国家にとっては理想的な防衛協力のパートナー足り得るのだと、アン氏は付言した。

ロンドンに拠点を置く国際戦略研究所の2023年の報告書によると、ハンファや豊山、ハンファ、LIGネクスワンなどの韓国の軍需企業は、多連装ロケットランチャーや弾薬、電気光学システムなど総額9億8,900万米ドル相当の取引をサウジアラビアと締結したという。

「アラブ湾岸諸国は、従来の欧米のサプライヤー以外のパートナーとの提携を模索し、防衛装備品の調達先の多様化を図っている…韓国政府は、増々先進的な装備の代替品を、多くの場合競争力のある価格と短いリードタイムで提供する能力を有している」と、国際戦略研究所の報告書は述べている。

2月8日に終了するリヤドでの防衛ショーでは、ハンファ・エアロスペースやヒュンダイ・ロテム、LIGネクスワンといった韓国の大手兵器製造企業が、空陸海の領域をカバーする多様な兵器システムを展示した。その一部には、中東の環境や地域の防衛上の関心事項に合わせて特別設計された製品もあった。

「ハンファは、サウジアラビアと協力し、サウジアラビアの防衛産業の成長と近代化に寄与することを目指しています」と、ハンファの広報担当者はアラブニュースに語った。「中東地域の主要顧客に抑止を目的としたソリューションを提供するという継続的な取り組みに、ハンファは誇りを持っています」